石巻競馬関連資料集
 └新聞記事:昭和25年(1950年)

「寺崎の草競馬」(『石卷日日新聞』3月11日)

 桃生郡中津山村寺崎北上競馬クラブ主催中津山、桃生、豊里三村各畜産會、同小運搬業組合後援の草競馬會は來る二十一日午前九時より中津山村寺崎松原遊園地に於いて開催される、出場馬の申込みは當日迄

「春競馬の準備」(『石卷新聞』3月25日)

ことしも春競馬のシーズン・イン、縣營石巻春競馬の開催期日については縣側でもつとめて收入増をはかるため、かねてから檢討を加えていたが二十六日午後一時から桃生牡鹿地方事務所で縣、市、競馬協會など關係者代表があつまり第一回懇談會を開き期日その他を協議することゝなつた

「春競馬は來月29日 福引づきの前賣劵發賣」(『石卷新聞』3月28日)

本年第一回の縣營石巻競馬に關する協議會は二十六日午後一時から桃生牡鹿地方事務所に縣畜産課、石巻市、地方事務所および競馬協會など關係代表があつまり開かれたが、この結果春競馬の日取りなど一切が次のように決定した
 △開催期日−四月二十九日、三十日、五月三日、四日、五日の五日間△入場劵を一枚五円(従來二十円)とする△馬劵を一枚十円(従來二十円)とする△福引づき前賣劵(入場劵)五万枚を發賣し一等千円五本二等二百五十円十本、三等五十円百本の賞金をだす△全部ホーカス(連勝)とする
なおこれは觀客誘致のため縣當局および地元關係者が協議した結果によるもので開催期日五日間のうち四日間が日曜祭日であり、また前賣劵發賣で確實な收入をねらつているが、主催者側ではこの第一回競馬で二百五十万円の收益をみこんでいる

「競馬事務打合」(『石卷新聞』3月31日)

本年第一回の縣營石巻競馬は既報のとおり四月二十九日、三十日および五月三日−五日までの計五日間開催されることゝなつたが、桃生牡鹿地方事務所ではこれに關し入場劵前賣りその他宣傳對策を練るため四月七日午前十時から同所に各町村庶務主任、地元競馬關係者等をまねき競馬開催事務打合會を開く、なお騎手免許試驗は四月十二日石巻競馬場で午前九時から身体、人物、學力、騎乘技術の各部門につき行われる、受驗希望者は四月五日まで縣畜産課あて申請すること

「春の石巻競馬 宣傳に大馬力」(『石卷日日新聞』4月8日)

春の石巻競馬打合會は七日地方事務所で嶺岸縣畜産課長外關係者が参集協議した結果、宣傳方法としては一日七十万圓の賣上を目標に五圓の前賣入場劵の發賣に各市町村の積極的協力を求め、前賣劵は當日十五圓のところを五圓とさらに福引でサービスをする、その割當は石巻市一万五千枚、飯野川五百枚、矢本千枚、野蒜五百枚、小野五百枚、赤井五百枚、廣淵五百枚、北村五百枚、鹿又千枚、大谷地千枚、中津山千枚、渡波千枚、稻井千枚、蛇田千枚として各團体に働きかける、賞金は二十五万圓駈歩六百圓、速歩五百圓のほか、飼養手當二百圓、また副引の抽籤は毎日正午行う、引換期間は一ケ月とする、騎手免許證はこんどから有効一ケ年、出場は必ず受驗すること、また駈歩免許希望者は出場當日自分の馬をもつてくる、馬体檢査は十四、十五、十六の三日間、前記關係市町村に出張して實施する

「競馬の賞金増額 今年は四十五万圓」(『石卷新聞』4月9日)

本年第一回縣營石巻競馬開催に關する協議會は七日午前十時から桃生牡鹿地方事務所で開かれ縣から嶺岸畜産課長も出席、主として觀客誘致の對策を中心に協議した結果、前賣入場劵五万枚の消化に全力を擧げることゝし石巻市一万五千枚をはじめ地元各町村の消化目標額を決定した、開催五日間の賞金および諸手當は計四十五万円昨年よりも増額したばかりでなく競走種目も毎日駈歩五レース、速歩五レースのほか、新番組として輓曳(馬力)競走一レースも編成され興味をひいている、なお馬体豫備檢査は桃牡石巻地方は四月十四、五、六の三日間町村ごとに自動車で巡回實施、騎手試驗は四月十二午前九時半から石巻競馬場で行われる

「前賣馬劵二萬枚消化 呼びものはキンカオーとトモヅルの決戰」(『石卷新聞』4月20日)

本年第一回の縣營石巻競馬は花も盛りの二十九日、三十日および五月三、四、五の五日間擧行されるが、昨年中のニガイ經驗にこりた主催者側ではいよいよ背水の陣とことしは入場料値下げをはじめ相當に思い切つたらしい手段を講じているが、レース開始を目前に、果して主催者側のいうとおり”石卷地方は競馬ブームになる”ものかどうか以上この競馬全体の豫想屋をやつてみる
◇失敗に失敗を重ねた昨年の石巻競馬につき、主催者側ではその原因を
 (一)經濟不況による金詰り
 (二)開催日の判明が不週當
 (三)宣傳不足(四)台風被害による設備費の加重
等におき、ことしは開催約一ヵ月前から早くも宣傳開始、また金詰りに對しては入場料を従來の二十円から五円に、馬劵も二十円から十円にそれぞれ引下げて買い安くし”開催期日の選擇”については日曜祭日で開催五日間のうち四日間を占める日をえらんだ
◇この切り札對策が奏功してか入場劵の前賣劵は石巻桃生牡鹿地方の消化目標二万五千枚のうち十五日現在ですでに二万枚を消化、また”競馬ブーム”をねらつた商店界でも積極的な協力を縣に申入れており、出馬頭數は百頭を突破するとみられる
◇このレースの呼びもの−各馬主ともそれぞれトレイニングを開始、二十九日までにはベストコンデイシヨンにしたいハリキリ方だが、駈歩甲級ではアラブ種で東北一の實戰馬といわれるキンカオーおよびアルゼンチン産サラブレツドのトモズルの決戰に人氣集注、これに迫る新鋭ホークスにも興味が深い
◇駈歩乙級ではハタミドリ、フクマサ、クインメリーなどの一勝は確實視され、丙級のベストワンであるクマノが甲乙級への挑戰もみもの、一方速歩では甲級ハゴロモのが城に迫るものとしてジヤネツト、ゴールドスター、ムカイヤマなどがありまた昨年以上の好調といわれるマサカツも注目馬たるを失わない
◇このほか東北で初の試みとして輓曳レース(ソリを引くもの)も行われるとあり、主催者側ではそろそろ花見客も出初めたいま本格的な宣傳を開始しているがどうやら”競馬ブーム”はいまのところまだ”宣傳ブーム”のかたちにあるようだ

「競馬は明日から 前賣劵の賣行良好」(『石卷新聞』4月28日)

本年第一回の縣營石巻競馬はいよいよ明二十九日から開始される、石巻市では馬劵發賣、拂戻しその他のため女子九十六名、男子十一名を臨時に雇い、準備に万全を期しているが前賣入場劵の賣行きは石巻市内の目標一万五千枚に對し二十七日現在で一万三千枚というところ、さいわい好天候つゞきの見込みではあり、またこれに先立つて開催された仙台競馬が思いのほか好成績をあげたので、こんどこそは−と主催者側では自信を強めている

「競馬場の取締」
石巻市警署では二十九日から開催される石巻春競馬に相當の人出が豫想されるので開催五日間にわたり刑事課員、警ら隊員が協力して競馬場内外の整理や取締りを實施事故の防止をはかる

「好天に惠まれた 石巻競馬の初日」(『石卷新聞』4月30日)

本年第一回の縣營石巻競馬は二十九日開幕、祭日と好天に惠まれたうえ鳴物入りの宣傳が奏功してか初日の入場者は約五千名に達した、出場馬は各馬主がベスト・コンデイシヨンに仕上げた百三十頭で午前十時半の第一レースを皮切りにいよいよ競馬ブームの氣分をみせ始めたが、第一日前半までは各レースとも大穴はなく、第二、第三と日を追つて熱戰が期待されている、第三レースまでの入賞着順次のとおり▽第一レース ニユーボーイ、ムサシ、タカミドリ▽第二レース マツトク、タツノクチ、ヤマカゲ▽第三レース ニコニコ、フアストキング、ナリビナン【寫眞】好レース始まる
石巻競馬

「競馬場でスラる」(『石卷新聞』4月30日)
石巻市門脇町字西村境二の四會社員Cさん(二十七)は二十九日午後〇時十五分ごろ石巻競馬を見物中現金二千円、入場劵十五枚等スラる

「臨時バス運轉」
仙北鐵道石巻營業所では二十九日から始まつた縣營石巻競馬の人出にそなえ二十九日から五月五日(一、二日をのぞく)まで五日間石巻驛から競馬場までの臨時バスを毎日午前八時から最終レースまで連續運轉する

「あすから再開 好調の石巻競馬」(『石卷新聞』5月2日)

二十九日開幕した本年第一回の縣營石巻競馬は滑り出しは案外成績良く、第一日の觀客約四千名で馬劵賣上げ五十三万円、二日目三十日は觀客約三千名で賣上げ五十二万円と好調をつゞけ主催者側では石巻競馬はじまつていらいの好調−とよろこんでおり前賣入場劵二万五千枚もとうに賣りつくしてうれしいヒメイをあげている、なお一、二の兩日は休んで三日再開される

「又も二万圓の大穴 競馬三日目盛况」(『石卷日日新聞』5月5日)

初日以來好調の石巻競馬は三日再開、憲法記念日の休日と絶好の天氣に惠まれて約五千人のフアンが殺到、馬劵賣上は今シーズン最高の六十万八千圓に達した、なお當日二万圓の大穴がでたが投票なく六十圓宛の御祝儀拂戻をするという珍現象を呈し、主催は目標三百二十万圓達成に大童わである

「競馬一日延期」(『石卷新聞』5月5日)

開催中の縣營石巻競馬は四日雨天のため第四レースまでゝ中止した、なお開催期日は五日までのところを一日延長して六日まで行われる

「競馬は七日まで」(『石卷新聞』5月6日)

開催中の縣營石巻競馬はさらに一日延長して七日までかいさいされることゝなつた、三日來の賣り上げは三日六十万五千円、四日八万円(第四レースまで)五日五十万円で極めて良好な成績で、穴は2日目の三十日の五万円[?]が最高五日にも三千円がでている

「三萬圓の大穴 一時は八百長騒ぎ」(『石卷新聞』5月7日)

石巻競馬に三万円の大穴−開催中の石巻競馬第五日目の五日第十一レースでこの大穴となつたものだが一方レースに疑問ありと觀衆たちが騒ぎだし「敢闘精神を欠き八百長のようなレースだ」として主催者側に詰めよるなど緊張ぶりをみせたが話し合いでことなきを得た、競馬はきようのお好み競馬で閉幕するが思いのほかの好成績に主催者側ではよろこんでいる

「八百長だ! 石巻競馬大騒ぎ 三萬圓大穴が問題」(『石卷日日新聞』5月7日)

石巻競馬四日目の五日、最終レースで三万圓の大穴という大番狂わせから觀衆が俄然八百長競馬だと騒ぎ出し、危く拂戻所が襲われようとしたが市署警官が自動車で乘りつけ金庫を本署まで運び事なきを得た、此の三万圓の穴を當てたのは僅か二名だけで他の馬に賭けたフアンが「今のレースは八百長だ」と騒いだもので殺氣立つた約百名が拂戻所を取り圍み、一時金庫が危險視されたものである、同レースの實相は果して騎手の八百長行爲であつたかどうか不明であるが、觀衆の中には「あれは確かに不正レースであつた」と主張する者も多く、それにしても責任主催關係者が事件をうやむやの裡に葬むり去つたことに對しては可なり非難を浴びており、八百長の背後には何者かのボス黒幕が伏在しているらしいとの風説も流布されこのまゝ放任する時は石巻競馬も徒らに不信と惡評をたかめるばかりであろうと憂慮されている

「絶對八百長ではない  敢闘精神を缺いた騎手は處分」(『石卷新聞』5月9日)

既報、縣營石巻競馬第五日目の午後四時半ごろ、第十一レースでおこつた”八百長騒ぎ”は従來の石巻競馬には珍らしい活況をみせたが、主催者側では一部にいわれた”八百長レース”の事實を否定、すつかり落着がついたと語つている、これによれば同レース(六頭編成)で當然第一着を豫想されていた出場馬が最終着となりしかもハンデイもちゞめぬまゝ、敢闘精神なくレースを終つたゝめ結局三万円の大穴となり、これに憤がいした觀衆の一部が競馬事務所へ押しかけ馬劵の全額拂戻しを要求終了後の午後六時ごろまで約二百名が残り「競馬場を燒いてしまえ」など強硬態度を示したがうち代表二名が審議會委員長(嶺岸縣畜産課長)副委員長(武藤光雄氏)らと話合つたところ優勝と見なされていた馬の騎手は翌日の決勝レースをみこし多少レースに駈け引きを加えたことまたその馬のコンデイシヨンも不調だつたこと等が擧げられ同騎手は二日間出場停止の處分と決り「決して八百長ではない」と落着して漸くケリがついたもの、なお騒ぎの原因としては三万円の大穴を當てたのが一名だけ(門脇の船員)だつたこと、普通ならご祝儀の意味で所有馬の馬劵を買う馬主も當日は買わなかつたことなどが擧げられるが主催者としては「絶對八百長レースではなく、たゞ騎手に敢闘精神がなく多少の駈け引きを加えたことは遺憾なので出場停止処分にした」とこの騒ぎをむすんでいる

「見込みを上廻る 石巻競馬の賣上四百万圓」(『石卷新聞』5月9日)

四月二十九日から開かれていた本年第一回の縣營石巻競馬は七日盛況裡に終了した、開催期日は二十九、三十日に續き二日休んで三日再開、二日間を延長して七日まで行われたが、六日間(雨天のため一日中止)の馬劵賣上げ總額は約四百万円、縣の見込額三百五十万円を上廻る好成績で従來にない好調だつたので主催者側でも一息ついている

「見込額を上廻る 石巻競馬の賣上」(『石卷新聞』5月12日)

四月二十九日から開始され七日終了した本年第一回の縣營石巻競馬での馬劵賣上げ總額は七日間合計三百九十五万千百九十円と判明した、なお縣の見込額は五日間當初豫定合計三百五十万円

「第二回石巻競馬 開催日は一般の意向で」(『石卷新聞』8月5日)

第一回縣營石巻競馬はさる五月行われ引續き年内中に第二回目が開かれることゝなつているが縣では開催期日につきひろく一般の聲をきいたうえ決定することゝなつた、開催期日を何月にしたらいゝかをハガキに記載し八月二十日まで桃生牡鹿地方事務所經濟課または石巻市役所産業課あて送付するよう一般競馬フアンに望んでいる、なお開催期日は五日間

「秋競馬會期」(『石卷日日新聞』9月5日)

縣營として最後の石巻競馬は縣の諮間に対し石巻競馬会では十月三十一日より三日間、中三日休み三日間計六日間が適当である旨を答申、縣でもこれに應じて開催決定を見るであろうと

「競馬場被害」(『石卷日日新聞』9月6日)

三日夜の大風で市内雲雀野海岸石巻競馬場内間口二間奥行一間の檢量所が倒壊した

「十月七日から 石巻の秋競馬」(『石卷新聞』9月9日)

石巻秋季競馬は十月七日から、なか三日間休んで十五日までの六日間擧行と決定した、なお石巻競馬協會では今回は觀客誘致對策としてカラクジなしの抽選劵を五百枚發行する、賞品は一等、二等、は時計、タンス、反物などの豫定

「空クジなし」(『石卷新聞』9月10日)

既報、石巻秋競馬で地元フアンに謝恩の意味から空クジなしの福引劵五万枚(昨報五百枚)は誤りを配布する

「福引付入場劵」(『石卷新聞』9月15日)

石巻秋競馬入場者への福引劵はカラクジなしというサービスだがそのうちわけは
 一等一千円一本、二等五百円二本、三等百円二十本、四等五十円六十七本、五等五円四千四百十本
であり適當の景品持合せの向きは二十日までに市商工會會議所内商店會まで見本差出しのこと

「新趣向の石巻競馬」(『石卷新聞』10月1日)

競馬フアン待望の縣營第二回石巻秋季競馬は十月七日から、空クジなしの抽選劵付で開かれるがこのほかはじめての趣向として縣内産三歳馬の輕種レースと優駿選抜レースもあり出走馬は本年度も百二、三十頭程度の豫定でうち三割までが郡山、上ノ山、水澤、青森などの縣外優秀馬にあてられている、レースは午前八時半の煙火を合圖に午前十時から開始

「今日から秋競馬」(『石卷新聞』10月7日)

石巻市雲雀野臨海馬場に擧行される縣營石巻秋競馬はいよいよ七日からふたをあける、開催日七、八、九、十三、十四、十五の前後六日間、出走馬も精鋭約百頭、主催者側はサービスに福引までつけての入場者大歡迎にハリキリ二人に一人當選率の景品が差し當り四千五百本用意してある、雨もあがつて天氣も上乘とあつて前人氣も相當、盛觀を豫想される

「秋競馬第一日 人氣可なり良好」(『石卷日日新聞』10月7日)

今七日雲雀野競馬場で蓋をあけた石巻秋競馬は午前十時第一レースを皮切りに開始、この日の入りは案外に出足よく、呼び物の場内福引に一等賞時計が出て人氣をよんでいる

「賑つた石巻競馬」(『石卷新聞』10月8日)

氣づかわれた天候もきのうは絶好の競馬日和、しかも空クジなしの福引つきとあつて石巻競馬は非常な人氣を呼び入場者も二千四百名馬劵賣上げは三十四万五千八百円にのぼつた福引は一等はなかつたが二等は柳目の渥美文平さんであつた

「日曜日の競馬賑う」(『石卷日日新聞』10月9日)

石巻秋競馬第二日目の八日は好天に惠まれた日曜日だけに約四千名の觀衆が、つめかけてにぎわつた、この日最終第十一レース二、二〇〇米速歩で連勝式に五、六九九圓の穴が出、五枚分二八万四九五〇圓が拂戻されて唖然とさせ、同レース單勝でも二等に一〇四〇圓の穴が出た、三日目の九日早朝からフアンがつめかけているが初日の馬劵賣上は三十五万圓、二日目は五十万圓であつた

「優勝馬に商店賞」(『石卷新聞』10月10日)

縣營石巻秋競馬第二日目の八日は快晴の日曜日にめぐまれて第一レースから早くも場内がわき立ち、第十一レースでは第六・三の連勝式で五千余円と最初の大穴が出た、この日の賣上げまた約六十万円の好調を示したが石巻商店街ではこの競馬會にさらに景氣をつけたいと優勝馬有名商店賞を贈る計畫も進めている

「三日目の大穴」
石巻競馬三日目の九日は入場者三千そこそこで案外淋しかつたが大穴續出に場内活氣立ち豫想屋も競輪のストツプ余波からか目立つて増加し穴の出るたびに沸き立つ騒ぎだつた、當日の大穴は連(八レース)八千六十円、その他は連(五)一千五百二十円、連(六)一千六百九十円、複(九)一千八百八十円、單(五)一千四百八十円、單(九)一千九百三十円
なお十三日からの後半には三等まで入賞の優秀馬特別編成レースを行うと

「女學生アルバイト」
石巻女子高校では石巻職安所の紹介で七日から五十名の生徒が石巻競馬の切符販賣や抽選劵の取扱などのアルバイトをしている、これは學費稼ぎとともに職業教育の一端となるように先生もつきそつて指導をしているが同校ではこんごも適當したアルバイトがあれば常時も實施する意向だと

「石巻競馬再開 呼物は優秀馬の特別レース」(『石卷新聞』10月13日)

きよう十三日から三日間本年度最終の石巻競馬が秋季後半として行われるが、入賞した優秀馬の特別編成レースで觀客の競馬熱を高め、三日目は國警豫備隊矢本駐在員を招待する豫定である、馬場の調子も整い十二日は市内をブラス・バンド隊が練り歩き、主催者側では文字どおり最後の追い込みにこゝのところ必死となつている、なお前半三日間に押しかけた入場者はザツト一万名を突破、馬劵の賣上げは百二十万円に達したという

「昨日の石巻競馬」(『石卷新聞』10月15日)

本日の終了を控えて十四日の石巻競馬は半ドンと好天氣のため入場者は五千人、馬劵の賣上げも六万枚という本競馬最高の成績をおさたが第八レースで五千八百円の穴その他五百円程度の穴續出という景氣であつた

「好成績で終了 秋の石巻競馬」(『石卷新聞』10月17日)

本年度第二回(秋季)縣營石巻競馬は中間に三日休み七日から十五日まで開催期間六日間の幕を閉じたが、ご他聞に洩れぬ金詰りに加えて沿岸各港は、サンマ豐漁とカキ養殖で比較的賑わい觀客層の減少を豫想されていたのに反し、春競馬に劣らぬ賣上げ二百九十八万二千六百円を得て主催側では案外な顔でいる七日から九日までの前半三日間は百二十三万九千六百円、十三日から十五日までの後半はシリ上りに百七十四万三千円の賣上げを數えたもので、順調な天候と前半二、三日目に出た五千円八千円台の大穴が競馬熱をかきたて、また中休み三日間が適宜普及宣傳期間になつたらしく人出はザツト三万人を突破したとみられている、とくに最終日は當初見込み八十万円に對し九十三万七千八百円の賣上げをみ、出場希望馬の頭數も従來になく多かつたという

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