石巻競馬関連資料集
 └新聞記事:昭和27年(1952年)

「石巻競馬場改造 スタンドも鐵筋コンクリートに」(『石卷新聞』1月7日)

亀山県議を会長とする石巻競馬会ではヒバリ野石巻競馬場に三千万円を投じて走路をコンクリート舗装し氷久的な防波堤を築いて波浪から安全にまもり各付属建物を永久的建築とし鉄筋コンクリート造スタンドを設けて面目を一新し真に石巻が天下に誇り得る競馬場に改造する計画で十一日午後一時から石巻市泰山荘に本年度第一回総会を開催して同改造案を審議ただちに県市に対し助成方の運動を展開することとなつた、石巻競馬場は同会の所有で施設一切は市に賃貸しているが、現在の施設は真にお粗末なため同会長は早くから根本的に改造する意向で県と接渉、すでに二十七年度において県から百万円の助成を得る確約を得ていることといわれるが、最近仙台では三千万円で仙台競馬場を改造する計画を樹てたので、これに呼応同競馬会でも同様三千万円に上る改造計画をたてるに至つたわけで差し当り同会では一千万円だけ市に助成方を要求すると

「市營春競馬 四月下旬」(『石巻日日新聞』3月6日)

石巻市は二十七年度第一回の市営石巻競馬を四月下旬から五月上旬にかけ盛大に開催したい方針である。四月末から四五日の休祭日が続くのを狙つたものだが他の競馬開催地でも同じく四月末−五月を狙つているのでダブる恐れもあり十二日縣で開かれる競馬打合会(県と仙台、石巻両市)出席で歩み寄りにつき協議する

「春競馬打合せ」(『石巻日日新聞』3月9日)

そろそろ春競馬の季節を前に縣では本年の行事に関し來る十二日会期その他について打合せ会を開く予定である。会期は来る四月下旬から五月上旬にかけ日曜祭日が連続するので、仙台、石巻両市ともこの時期をねらつて都合よく協定することとなろうと、なお競馬建設会社において仙台競馬場の施設に乘り出す計画があり、石巻競馬協会でも同社の援助を要望、亀山会長の案内で関係者が來石の上馬場の調査を行うはずである

「競馬場視察」(『石巻日日新聞』3月12日)

春の競馬シーズンを前に石巻市でもそろそろ市営競馬開催の準備に取掛つているが東京競馬株式会社調査役池田亀雄氏ら一行は九日來石、ヒバリ野競馬場を視察した、同会社は大井競馬場を所有し中央競馬会で大きな勢力を占めている[?]が、一行は石巻競馬場を視察したのち石巻市営競馬の運営についても種々示唆を與えた

「競馬予算案 初市會に」(『石巻日日新聞』4月2日)

石巻市では二十七年度も市営競馬二回を開催する方針を決め七日招集の第一回定例市議会に競馬予算一千一百万円(一回の馬劵賣上げを五百五十万円と推定)を提出することゝなつた。馬産奨励と地元振興のため市としてはぜひ開催したい方針だが新市議会としても殆んと開催には賛同の模様、第一回は四月末−五月上旬の休祭日続きが豫定されている

「春競馬は鉢合せ 今年は仙台市とダブル」(『石卷新聞』4月5日)

石巻市では市営ヒバリノ春競馬をサクラの二十七日からにぎにぎしく開催する計画をたて予算も春競馬五百六十万円と大奮発して実施プランを樹て開催準備を進めていたが、はからずも仙台市営春競馬が矢張り二十七日からと内定、完全に春競馬が石巻と仙台で鉢合せとなつた、鉢合せとなつては出走馬やフアンの競り合いからとも倒れに終つて到底開催は見込めぬと石巻市では仙台市に開催、日時の変更方を要求中だが仙台は逆に石巻の譲歩を要求する始末でこれまた正面衝突、この角力はたしてどちらの譲歩に落ちつくか二、三日中には方針ができあがるが、右開催費用予算総額一千百十八万九千二百円は七日の市会に上程する、右予算は春秋二回分で勝馬賞金八十五万円、この予算操作のため四百万円の一時債を見込んでいる

「石巻の春競馬 五月十日に變更」(『石卷新聞』4月6日)

石巻市営春競馬開催の予定日ははからずも二十七日から六日間と完全に仙台市営競馬と鉢合せになつたため、開催日時の変更につき仙台市と交渉中だつたが仙台の強腰に折れて石巻市では五月十日から六日間開催と予定を変更、七日の市会に諮つて正式に決定の予定

「市営競馬に学生バイト」(『石巻日日新聞』4月24日)

石巻職安所では五月十五日から三日間市内雲雀野競馬場で開かれる市営春競馬に高校バイト生三十名の紹介方を依頼されたので市内四高校と話を進めているが競馬の状況によつては二倍の六十名近い増員の模様

「競馬運営委員等委嘱」(『石巻日日新聞』4月25日)

五月十日から六日間行われる本年第一回石巻市営競馬に備え、市ではこのほど同競馬運営委員三十三名(市会産経委員、各正副委員長、一般経験者)と顧問三名、参與十八名を委嘱二十四日午後一時から第一回会合を行い宣伝その他運営方法を協議した。このほか開催委員(委員長富田助役)も委嘱したが、絶対黒字をめざし五月一日から市内近郊に大々的な宣傳を開始する

「前谷地競馬 二十七日挙行」(『石巻日日新聞』4月25日)

桃生郡前谷地村競馬会主催の第一回春競馬は二十七日同村梨木競馬場で催すが出場馬数約百頭といわれ当日の盛況が予想される

「競馬開催要項協議」(『石巻日日新聞』4月26日)

石巻市では二十四日午後一時から市営競馬運営委員会を開き、二十七年度第一回の同競馬開催要項を次のとおり決めた
◇開催期間=五月十日(土)から六日間雨天順延◇出場申込は五月まで市農林課へ◇馬体檢査=八日午前九時からヒバリ野競馬場で能力檢査と同時に行う◇出場資格=明け四才以上の馬で宮城県に馬主および馬登録を済ませたもの◇騎乘申込は県発行の地方競馬騎乘免許証に手数料金百円を添え五月八日まで
なお石巻駅から一時間毎に無料バスを運行する

「競馬宣伝班 各地歴訪」(『石巻日日新聞』4月27日)

五月十日から六日間行われる市営石巻競馬につき市では農林課員を主任とした宣傳班(十名)を編成、五月一日から登米、柳津、一ノ開[一ノ関]、水沢、仙台、若柳、古川、築館、小野田、吉岡など各地を歴訪、近郊各町村はもとより内外に大々的な観客誘致宣伝を行う

「競馬開場式」(『石巻日日新聞』5月7日)

十日から開幕される本年第一回石巻市営競馬の開場式は十日午前九時からヒバリ野馬場内で挙行され式終了後たゞちにレース開始される、なお市では一日から県内外各地に宣伝隊を繰り出し観客誘致と出場馬勧誘につとめた結果、出場馬数は百二十頭(うち県外馬二十頭)とみられ盛況を予想されている

「女流騎手三名出場 石巻競馬に異彩を放つ」(『石卷新聞』5月9日)

石巻市営春競馬は女騎手のアデ姿を加えていよいよ十日午前十時の第一レースからにぎやかに六日間の十五日まで幕を開く、出走馬は百二十頭、石巻駅前と日赤石巻病院には横ツパラに石巻競馬と大書したトラツク各一両を配備して無料でフアンを一時間毎に競馬場まで運び何でもかんでも馬券五百万円を売り上げるコンタン−何といつても人気は福島の人気女流騎手織笠けい子さん(十七)と山形美人騎手二名(まだ氏名不明)の紅三点登場とある前人気すこぶる高い、初日十日の第一レース直前には清野市長その他出席して開場式をあげるが、市では宣伝隊を遠く一関水沢まで繰り出して春競馬としては市営第一回目なのでウント黒字をかせぎ出そうと大童で開催準備に忙殺されている
石巻競馬宣伝広告
広告「明るく愉しく 市營石卷春の競馬」

「競馬場のスリ」(『石卷新聞』5月12日)

十二日開催の石巻市営競馬場でスリ二件が発生したが、現金五十円とバクロウの免許証を盗まれたといつた程度、市警署では密行取締りを厳重にしている

「惡天候にタタられ 散々な石巻競馬 ◇…女流騎手も案外不調」(『石巻日日新聞』5月13日)

本年第一回の市営石巻競馬は十日から白砂青松のヒバリ野競馬場で開幕されたが、第一日目は午後からの肌寒さも祟つてか、観客一千人に止まり十二レースの馬劵賣り上げは五十五万二千八百円、穴は第二レース(單)の二千百五十円という成績。
第二日目は雨で中止、第三日目の十二日は漸く人気を集めてか三千の人出があつたが、市では十五、十六(一日延期)日と尻上がりに好成績を挙げると見込み馬劵総賣り上げを約五百万円と推定している。なおフアンから期待された初の女性騎手折笠けい子(一七)さんは第六位、第七位と案外に振わずフアンをガツカリさせた。

「手痛いミス 十一万過拂」(『石巻日日新聞』5月13日)

石巻市営競馬第二日目の十二日第三レース(千メートル急歩)で勝馬は連勝四−一と決り、主催者側の市ではこれにより七十四名に千八百七十円ずつを拂戻したが、後で調べたところ拂戻金は三百八十円ずつだつたことが判明、ところがすでに拂出した後の祭りなので、結局差引 四百九十円[千四百九十円]の七十四人分合計十一万二百六十円は計算違いによる欠損となつた

「盛况を続け競馬終る」(『石巻日日新聞』5月17日)

石巻春競馬は第二日目の日曜が雨に流されただけで、前後六日間、連日快晴に惠まれ案外盛況裡に今十六日を以て終了した。第五日目までの馬劵賣り上げ総高は三百三十万円にして、最終日百万円以上賣れると予定の四百五十万円にややぶつかるという目算であつた。しかし馬劵誤拂の十一万円が大穴となつているので総決算において黒字となるか赤字を出すか、建元格の木村農林課長も肝を上げたり下げたりの態であつた

「石巻競馬に 固定フアンつく」(『石卷新聞』5月18日)

去る十日から晴天六日の予定で開幕した石巻市営春競馬は中一日を雨にたたられて一日延期の十六日をもつてメデタク終了、六日間の合計で四百九十九万六千三百円の馬券売上成績をおさめた、昨秋は三百二十万円の売あげだつたから同じ六日間で約百八十万円の売上増、とくに最終日の十六日は一日で百十五万八千二百円の石巻空前の記録的売上ににぎわつた、初日は最低の五十五万二千八百円で尻上りの売行だつた、ただし払戻しは最高が六千百五十円でアツト驚ろかせる大アナは出なかつた、二日目には計算違いからか十一万二百六十円もあやまつて過払いしてしまつた珍事件まで飛びだし文字通り大アナがあいたが市当局では
 固定フアンがようやく激増してきた結果
とこの好成績を分析しているが、そのため誤払いの手痛さも案外手痛からずむしろ黒字になろうと清算をいそいでいる

「人気煽つた−−女流騎手」(『石巻日日新聞』5月18日)

こんどの石巻市営春競馬の呼物となつた女流騎手折笠啓子(一七)さんは十五日の第五日目、第七レース二千米速歩に「ヤマカゲ」の背にまたがり出場、堂々男子騎手を圧倒して一着になりフアンからカツサイを洛び、市長賞を贈られた。このレースは女流騎手に失望したフアンが多かつたので、連勝一−三は五千三百六十円という大穴となりフアンをウナらせた。

「馬劵売上げ四百五十万円 見込額を下廻る」(『石巻日日新聞』5月18日)

十日から開幕の本年第一回石巻市営競馬は十六日終了した。第二日目を雨で中止した外は大体好天に惠まれ最終日に近ずくにつれて賣上げ成績が上昇したが第二日目で十一万二百六十円を計算違いにより過拂いしているので赤字は避けられぬ見込み、六日間の馬劵賣り上げ成績は次のとおりで合計額は市で見込んだ五百万円より五十万円ほど足りなかつた(單位円)
◇十日五五二・八〇〇 十二日七一四・二〇〇 十三日六五二・七〇〇 十四日六〇五・七〇〇 十五日八一二・七〇〇 十六日一・一五六・二〇〇 合計四・四九四・〇〇〇

「偽造馬劵一枚發見」(『石巻日日新聞』5月18日)

石巻競馬最終日十六日の第九レース勝馬は連勝二−三と決まり四千六百二十円の穴となつたが投票数十二の筈の二−三の馬劵が拂出し終つてから調べてみると十三枚に増えていることが発見され四千六百円が何人かに過拂された事が判明、この馬劵十三枚を詳細に調査したところ一−三を巧みに裏面から紙をはり別に穴を明け「二−三」に僞造したもの一枚が発見された、忙がしさまぎれに係員が見落したものと見られる

「石巻競馬はどうやら赤字免る 問題は誤払いの始末」(『石巻日日新聞』5月25日)

過般挙行された市営春競馬の收支清算はこゝ二三日中に公表されるはずだが馬劵の総賣り上げ高四百四十九万余円にして、どうやら赤字を出さずみ尻が結ばれるものといわれる、開催事務の責任者木村農林課長は
今回の競馬は第二日目の日曜が雨天のため流したのは惜しかつた、しかしその前後連日快晴に惠まれ最終日の賣り上げ百三十万円でほつと安心した、会期中日曜、祭日もないのにあれだけのフアンを吸集したことは成功であつたと思う。市営石巻に対する個定來観者が出來たので今後の開催成績もそう悲観するには当るまい、そこでもし秋競馬ももつと宣傳に力を入れたら五百万円の賣上げは決して困難ではあるまい云々、なお誤拂いの欠損について種々見方するものがあるが誤拂い開始後間もなく計算違いを発見した時、何故、拂い戻しを中止しなかつたかという疑問があり、この場合の処置については議会でも当然責任を追求されるらしい

「市營競馬の成績纏る」(『石巻日日新聞』5月29日)

十日から六日間開催された本年第一回石巻市営競馬の成績(概要)がこのほどまとまつた。これによると出場馬は主催者側の宣伝誘致にも不拘、八〇頭(うち縣外七頭)に過ぎず、レース編成に悔むことが多かつたが、馬劵賣上は合計四・四九四、八〇〇円、これに入場料三二、六九五円、その他を合せ総收入は四・六〇七、七二〇円、一方支出は開催費、施設費など合せ四・五八七、〇二七円で、差引二〇・六九三円の黒字に漕ぎつけた。当初第二日目で十一万余円の誤拂いがあり、赤字とみられたが漸く黒字の概算がまとまつたもので、この誤拂がなければ十三、四万円の黒字となつたわけであり、二十七日開かれた競馬委員会でその責任を追及する声もあげられた。なお六日間の観客数(有料)は合計六、五三九名、出場馬の各地方別では桃生郡の三〇頭がトツプ、次いで仙台市九頭、登米、遠田各七頭、石巻市六頭などの順、県外馬は岩手四、山形三頭のみで、かく出場馬が少なかつたのは当初考慮されたとおり開催期日が農繁期にカチ合つたゝめとみられる

「大谷地の競馬」(『石巻日日新聞』8月16日)

桃生郡大谷地村競馬会では二十一日同村鶴家河原競馬場で独立記念競馬大会を開催するが、当日は約八十頭の出場馬を豫想されている

「市營秋競馬 日取り内定」(『石巻日日新聞』8月21日)

石巻市では今秋の市営秋競馬開催につき二十二日午後一時から第一回競馬委員会を開き細部を決定する開催期日は九月二十一日(日)二十二日、二十三日(秋分の日)二十六日、二十七日(土)二十八日(日)の六日間の豫定で、出走馬は縣内と山形、岩手、新潟、福島各縣から約百二十頭とみられる。

「市営秋競馬の 日取等協議」(『石巻日日新聞』8月24日)

石巻市の二十七年度第二回市営競馬開催運営委員会は二十二日午後一時から市役所で開かれ秋競馬の日取り、市営競馬実施條例、その他競馬場整備、出馬勧誘宣伝、交通、副賞などにつき協議したが、この結果開催日取りはきたる九月二十一日(日)二十二日(月)二十三日(祭)二十六日(金)二十七日(土)二十八日(日)の六日間と正式決□□□□□□□□□□□□□□副賞には農林大臣賞も贈られ、無料バスの運行も計画しているなお競馬法の改正に伴ない今後は他の競馬で騎乘停止処分を受けたものは出場できぬことゝなつたので、これに基き市でも條例を改正する

「市營秋競馬 十月に延期」(『石巻日日新聞』9月3日)

石巻市では二日午後一時より競馬委員会を開き協議した結果、九月二十一日から開催予定の市営秋競馬は選挙ラツシユに備え來る十月二十一日から六日間開催に延期した。

「秋競馬のポスター」(『石卷新聞』9月28日)

恒例の石巻市営第二回秋競馬はいよいよ来る十月十一日の日曜を初レースに同十六日までの六日間ヒバリ野海岸で開催されることになつた、すでに写真のようなポスターもできあがり市当局では近郷近在はもとより仙台方面からの人出もねらつて大々的な宣伝に拍車をかけるが、なおポスターは市農林課阿部清さんの作【写真】石巻競馬の宣伝ポスター


「秋競馬近ずく 宣伝隊派遣」(『石巻日日新聞』10月8日)

石巻市営の秋競馬は選挙騒ぎもおさまつて來る十一日から六日間ヒバリ野競馬場で催されるが多数観客の獲徒を狙う市では六日から宣伝隊がトラツクに乗り組み佐沼、登米、小野田、三本木、一ノ関、水沼[水沢]など県内外馬産地を五日間にわたり歴訪する出場馬は現在のところ七十頭で当りまでに百頭以上に達する見込。なお市では十一日までに馬場の整備に全力をあげている

「競馬場取締 特別取締班編成」(『石巻日日新聞』10月11日)

石巻市警では十一日から六日間開かれる市営秋競馬の混雜を予想し特別取締班を編成、場内外の防犯と雜沓整理、老若男女、迷子などの保護、デンスケ賭博取締、拾得遺失届の受理などに当る。

「案外さびしい初日 今日から開始の秋競馬」(『石卷新聞』10月12日)

石巻市営一周年記念と銘打つた石巻秋競馬はドンヨリ空の十一日から開始された、開期は十六日までの正味六日間で駅前から無料サービスのバスを走らせての宣伝にかかわらず入場者は極めて少く初日午前中は五百名そこそこの淋しさとあり、主催者の市は大あわてにあわてて宣伝の新規まきなおしを計画する始末であつたが富田第一助役が中心となり例のように開会式を挙行、予定より一時間おくれの十一時半に二十二頭が一斉に出走する、第一レース二千メートル速歩のテープが切られた、この日は全部で十二レース、賞金も合計七万三千円、入場者は少いながら出走馬は百三十頭もそろつて盛観をみせた【写真】初日のレース
石卷競馬場

「尻あがりの 石巻競馬」(『石卷新聞』10月14日)

石巻市営一周年記念と銘打つた秋競馬は初日の十一日からコソ寒い曇天とあつてか、駿馬百三十頭からの出場ながら入場者数は極めて少く、馬券売上げも漸く四十六万七百円で大赤字、あてにした二日目の日曜日は好天にめぐまれてか七十七万二千五百円の売上げとなつてこの日は黒字、三日目もどうやら黒字とあつて市当局は胸なでおろしているがこの分ではあふりが足らぬと人気ばん回策に大頭痛である。しかし初日は第九レース駈歩競走に六千百円なりのアナがでてヤンヤだつたがこのアナには券が四枚でた

「四日目は中止 石巻の秋競馬」(『石卷新聞』10月15日)

石巻秋競馬第四日目の十四日は朝来雨もようでついに小雨となり、入場者も雨にたたかれて帰つたので十一時に発馬して二レースだけ行つて中止した、したがつてこの日の売上げは僅か五万四千三百円だつたが、三日目十三日は売上も五十五万三千二百円でやや可の上に第三レース二千四百メートルの速歩競走では果然アナがでて払戻し一万二千八百円が飛びだしてやんやだつた、なおこの日は市長賞一等一万円以下の呼びもの第九レース駈歩が人気だつた、最終日には農林大臣賞その他の呼びものレースが盛りたくさんだが監督のため農林省中村技監外一名が十四日来石、最終日まで滞石の予定

「正午まで……九十五万円 馬劵売上げ新記録…」(『石巻日日新聞』10月16日)

好天に惠まれた石巻市営競馬第五日目の十五日は正午現在(第三レース終了)ですでに九十四万八千円を賣上げて新記録となり、開始以来の不調を挽回できると市ではホクホク顔、きよう一日での賣上げは百五十万円とソロバンをはじいている。

「散々な秋競馬 結局一日分收入に大穴」(『石巻日日新聞』10月17日)

惡天候にたゝられ続きの石巻市営競馬は十六日も雨で中止、明十七日まで一日延期されたが、第四に父めの十四日は同じく雨のため第二レースで中止、市ではこの分も一日延期する方針でいたところ、来石中の農林省競馬監察官から「延期まかりならぬ」と指示され、結局この競馬は六日間の開催予定が五日間に縮められ豫想した四百五十万円の売り上け高にも一日分の穴が明くことゝなつた。農林省の指示によると「たとえ二レースでも実施した以上は一日分と見做され、従つて延期は許されない」というもので、すでに仙台競馬でも同じ前例があつたという。これに対し関係者間からは「少しでもレースをやつたら一日分と見做されることを主催者側が知らなかつたのは準備不十分だ」とする声と「悪天候なら止むを得ない」とする声と両様だが、何れにせよ不順な天候続きのうえに一日分の穴が明いた今回の市営競馬の結果は、樂観を許されないものとみられる。

「市長賞は”信宝”獲得」(『石巻日日新聞』10月17日)

石巻市営競馬第六日目の十六日は雨のためレースを中止した。十五日までの馬劵総売上げ高は二百五十万円で主催者側の見込を下廻つているが、明十七日の最終日は市では百万円以上の売上げを見込み、全期間合計売上げ三百五十万円から四百万円と期待している。なお第九レースで市長賞(賞金一万六千円)は仙台市原ノ町大友信雄さん所有の「信宝」が一位で獲得、明十七日は知事賞、農林大臣賞など盛り沢山の賞金賞品がかけられ最後の活況を豫想されている

「最終日に 二万圓の大アナ」(『石卷新聞』10月19日)

天候に恵まれなかつた第二回石巻市営第二回秋競馬は休み休みながら十七日をもつて六日間におよぶ会期を全く終つて千秋落となり、この日は一挙に百八万二千五百円の売上げを得て合計三百五十八万一千六百円をかせいだが、赤字はまぬかれぬサンザンの沙汰ながら最終日は最終レースの十二競馬に二万五千六百余円の大アナがでて大騒ぎだつた、このアナをあてた札は二枚で一枚は湊砂山のそれがじ一枚はパルプのそれがしだつたと、なお目下清算中で赤字かいなか不明

「市の秋競馬 黒字か 農林課の自信」(『石巻日日新聞』10月19日)

さる十一日開幕、十七日でピリオドを打つた市営秋競馬総賣上げは尻上りの好人気にも拘らず十四日の雨にたゝられて予定四百万円を下廻り、三百五十八万一千六百円であつた、市農林課で清算中だが出場頭数で春競馬より四十頭上回る百二十頭の出場があつたため人件費も嵩み、黒字は覚束つかないが最悪の場合でも昨秋および今春の競馬黒字を加えると一般市費まで繰り入れなければならないようにはならない−と市では語つている。

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