石巻競馬関連資料集
 └新聞記事:昭和28年(1953年)

「市営春競馬 四月盛大に 廿周年記念も兼ねて準備」(『石巻日日新聞』2月5日)

石巻市では今春も市営競馬を四月(予定)盛大に開催することとなり二月予算議会に競馬特別会計予算を提案する。今回は市制施行二十周年記念競馬と銘打ち、昨秋仙台競馬で八百万円を売り上げた例に倣い開催期日、宣伝方法など各部門の準備に万全を期し市制記念競馬らしい好成績をあげたい方針である。

「五十万圓で競馬場補修 二十周年記念競馬に備え」(『石巻日日新聞』2月27日)

四月開催予定の市制二十周年記念市営競馬を控えた石巻市では二十七日午後一時から競馬会役員や関係市議を招き、競馬場施設補修工事につき打合せるヒバリ野競馬場施設の中走路は毎年補修しているが今回は拂戻所など主に建物を工費約五十万円で三月末まで補修する計画

「ヒバリ野で騎手試驗」(『石巻日日新聞』3月15日)

競馬、競輪、パチンコからハイアライ迄かけごとの盛んな世とあつてこれに從事するビジネスマンの需要急増とあつてか県では來る四月四日午前九時から石巻市ヒバリ野海岸市営競馬場で県下の地方競馬騎手免許試驗を実施することになつた、試驗は身体検査、学力、人物、騎乘技術の四点につき行われる(但し十六才以下は不可)が腕に自信ある”人間達”が春駒に跨り何名くらい集るかみもので早くも好評?サクサク人氣を呼んでいる申込は四月一日まで県経済部畜産課へ届出ることになつているが、受驗希望の向きは桃生牡鹿地方事務所経済課に詳細問合せのこと

「市制二十年記念 競馬の準備」(『石卷新聞』4月5日)

石巻市では五月上旬市制施行二十周年記念の市営競馬を盛大に開催するが、これに先立ち県畜産課今野、鈴木両技師が来石、四日午前ヒバリ野馬場で四十名の希望者につき騎手試験を実施した、なお馬場の整備もそろそろ開始、現在の投票所や馬券売場計七十坪を赤瓦ブキのペンキ塗り建物に工費百五十万円で改装、この落成式をかね市制記念競馬のすべりだしをする

「騎手試験」(『石巻日日新聞』4月5日)
春競馬季節にさきがけ県主催の騎手試験が四日石巻市営競馬場に挙行され、県畜産課今野、鈴木両技師が試験官で五十名の受驗者を試験、さすがに騎手試験だけに時ならぬ競馬風景を見せた。

「市営競馬場 化粧と改修築」(『石巻日日新聞』4月5日)

石巻市営競馬を総工費八十万円で総化粧することとなり、市当局は目下設計中だが、本工費中五十万円は県補助による。お粗末きわまるバラツク建の投票所拂戻所に瓦を上げペンキを塗り化粧して五月十日前後開催の春競馬に間にあはせるという寸法

「春の競馬 五月十日開催 六日間の続行」(『石巻日日新聞』4月6日)

石巻市恒例春の行事の市営春競馬は五月十日から六日間開催と内定した。本年は二十周年記念と銘打つて盛大に挙行するが十日頃市営競馬運営委員会にはかつて正式に日時を決定する

「市營競馬の準備」(『石卷新聞』5月23日)

市制二十周年記念の石巻市営競馬は七月上旬開催の予定であるが、市では二十三日午前九時から第一回競馬委員会を開き準備をはじめる、ことしは馬場施設の改修落成と市制記念をあわせ盛大に開催の方針

「石巻競馬七月 施設改善が先と二十三日大評定」(『石巻日日新聞』5月23日)

施設不良のため延期された市営競馬の施設改築並に開催期日を決定する市競馬専門委員会(亀山六三郎、毛利六郎、沼倉勝治、堀村弘、梶山貢、吉田忠五郎、西村貞満、畠山勝雄、渡辺喜久雄の各氏)が明二十三日午前九時市役所で開かれるが、本年の市営競馬は七月中旬挙行となる模様で、それまでに施設を改善すると

「市営競馬 開催日等決る」(『石巻日日新聞』5月24日)

二十三日午前十時半より議員室で開催の市営競馬委員会は畠山、渡辺、吉田三委員が集り(他は欠)協議の結果期日を七月四、五、六、一〇、十一、十二の六日間と決定、二〇周年を記念と競馬事務所馬券売場の改修(豫算八〇万万円)落成を兼ね記念競馬と名づける事にきめた

「石巻春競馬は七月四日から」(『石卷新聞』5月26日)

市制二十周年記念の石巻市営競馬はきたる七月四、五、六、十、十一、十二の六日間にわたりヒバリ野馬場で挙行されることとなり市では二十三日の第一回競馬委員会で打合せた、六月一ぱいで工費八十万円を投じ馬場施設を整備、この落成式をかね六日間を盛大に開催する方針

「競馬場らしく 改良工事開始」(『石巻日日新聞』6月3日)

七月四日から開催予定の夏競馬に間に合せようと、市ではヒバリ野市営競馬場改築突貫工事に着手した。同工事は走路に直角に設けられている投票所と拂戻所を一括、走路に平行に立て直してヒサシを下げ小雨が降つてもフアンが濡れないようにしようというもので、第一期工事は予算三十五万円で四十坪の投票所と拂戻所改築に着手したもの。完成は来る二十五日ごろの予定で競馬場風景に一段と柔か味を添える

「市営競馬 七月四日から」(『石巻日日新聞』6月7日)

恒例の石巻市営夏競馬は市制二十周年の記念の銘入りで、来る七月行われるが日程次の通り 七月四(土)五(日)六(月)一〇(金)一一(土)一二(日)

「20周年記念市営競馬 出場駿馬125頭」(『石巻日日新聞』6月12日)

既報市政二十周年石巻市営競馬は來月四日投票所及拡戻所の落成式を兼て開場式を行い、同日より六日まで三日間、七日より九日まで休み、十日より十二日までの六日間の幕を切つて落す。出場馬は昨年の九〇頭より多い一二五頭が連日十二レースに分れて覇権を競うが、十一日は二十周年記念レースとして急歩一、八〇〇米が予定されている。尚八〇万円の豫算で去る三日来、改築中の前記投票所及拂戻所は三五坪一棟にまとめられ、今月末コバルト色のしようしやな建物に生れ変るほか、馬場の走路、柵なども改築中で完成後は面目を一新する筈。

「石巻市營競馬 來月四日から」(『石卷新聞』6月14日)

市制二十周年記念の石巻市営競馬は七月四、五、六、十、十一、十二の六日間盛大に開催されるが、市では県内外各地へのポスター送付や宣伝カーによる観客誘致宣伝をはじめる、なお開催日までに工費百二十万円を投じ馬券売場、払戻所判定席など諸施設を改築、一千メートルの馬場走路も改修し、この落成式を兼ね開幕するが他地の競馬ともカチ合わないので主催者側の市では相当な盛況を期待している

「縣内外に競馬宣傳隊」(『石卷新聞』6月21日)

きたる七月四、五、六、十、十一、十二の六日間開催される市制二十周年記念石巻市営競馬の宣伝ポスター五百枚ができあがつた、市では県内や水沢、一ノ関、盛岡など県外各地へもこれを発送するほか二十五日から県内外に宣伝隊をくりだし、賞金四十六万五千円をかけた夏競馬の大宣伝につとめる(写真)競馬ポスター


「豪華番組で市營競馬 一二五頭出走」(『石巻日日新聞』6月22日)

七月四日開催の市制二〇周年記念市営石巻競馬の詳細が決定した、七日から九日まで中三日間休み十二日まで六日間予定出場馬一二五頭の熱戦が開かれるが毎日午前十時発馬、十六時半の第十二レースをもつて終馬となる、第三日目の六日第九レースから十二レースまでは特別レース、四日目の十日第八レースから十二レースまでの五レースも同様、五日目の十一日第七レースと第八レースは前日までの優勝馬のみの三才速歩と同駈歩、第レースは特別速歩、第一〇レースが市制施行二〇周年記念一六〇〇メートル駈歩で一千円の市長賞が懸けられ、十一、二レースは特別レース、最終日六日目の十二日四レースから十二レースまでの九レースは全部優勝馬レースで、うち第九、一〇はともに知事賞が懸けられている。当日の六日間はともに駅前より競馬場まで一時間おきにバスが運転され当日雨天の際は順延される

「各市町を巡回 石巻競馬宣傳」(『石卷新聞』6月26日)

きたる七月四日から挙行される市制二十周年記念市営競馬を前に石巻市では二十五日から観光誘致の宣伝カーを市内外にくりだした、農林課員三名ずつが交替でのりこみ二十八日まで桃生牡鹿、登米の各町村を巡回するが、開催期日が水沢競馬とカチ合うので市でも宣伝に大童、なお第一日目の七月四日午前九時から開場式と馬場施設落成式とを併せ挙行することなつた

「競馬運營委會」(『石卷新聞』6月28日)

石巻市では三十日午後一時から市営競馬運営委員会(三十名)を開き現在までの競馬開催準備につき経過報告、七月四日の開幕を前に運営方策を協議する

「石巻競馬に 海老名賞提供」(『石卷新聞』7月2日)

市制二十周年記念の石巻市営競馬はいよいよ四日から開幕されることとなつたが、主催者側の市では県内外各地への出馬勧誘、観客誘致宣伝も終つてほとんど準備をととのえた、今回の出馬頭数は前回の百二十五頭よりやや落ちて百頭くらいとみられるが、市では馬場施設の完備、好天候ほかの好条件とにらみ合せ六日間で約五百万円の馬券売り上げを目標としている、なお開催期間中は午前八時から午後七時まで無料バスを運行するが、とくにこんどの市営競馬には二十八年度日本優駿ダービーで優勝した海老名騎手が来石、石巻競馬を見学のうえ最優勝馬に海老名賞を贈ることとなつており、いまからフアンの話題をさらつている

[註]正しくは蛯名騎手

「20周年記念石卷競馬 賞金四十六萬余円 あす四日から六日間」(『石巻日日新聞』7月4日)

石巻市制施行二十周年記念市営競馬はいよいよ四日の土曜日から場内整備の完了した同市ヒバリ野臨海競馬場に前後六日間開催される。前半は四、五、六の三日間後半は十、十一、十二の六日間さすがに賞金も二十周年記念とうつているだけに合計四十六万四千五百円の巨額に上つている
富田市助役が委員長として采配ぶり佐藤農林課長の副委員長、審判委員は畠中技手、場内取締委員毛利六郎、馬場管理委員横山馨各氏の顔ぶれ、アルバイト学生八十五名とも百余名の執務員が一部二階建て五十余坪の新装投票所その他の配置について万全の構え副賞も農林大臣賞をはじめ知事、市長、市会議長、商工会議所会頭賞等々十五づらりこの外に特に二十八年度優駿ダービーに優勝のほまれ高い海老名賞が出る、したがつて出走馬も百二十余頭、賞金も盛り沢山出走馬も例年にない質量ともに申し分なきハリ切り陣さらに田植も一段落の一ツプク季節と三拍子揃つての好條件に同市営競馬はいよいよ四日初日から空前の記録破り的盛況が期待される

「石巻競馬 今日から開始」(『石卷新聞』7月5日)

市制二十周年記念の石巻市営競馬は四日から開幕、第一日のきようは午前九時半から開場式と馬場施設落成式を併せ挙行、午前十時の第一レース千メートル急歩で六日間の幕を切つた、出馬頭数は見込より少なく七十頭、台風第四号のウワサもあつて主催者側の市はしきりに天候を気にしているが、県内外から相当数のフアンも石巻に入つており馬券売上げ目標五百万円は達成できると見込んでいる、なお二十八年度優駿ダービーで優勝した騎手海老名武五郎氏から同競馬に対し敢闘賞がおくられることとなつた【写真】初日の発馬風景


「熱狂二千名 アナ二千四百円 沸騰石卷競馬」(『石巻日日新聞』7月5日)

石巻市営二十周年記念競馬は四日午前九時から開幕大穴めざすフアンざつと二千名の盛観、初日から熱狂のドヨメキに沸騰、急歩一〇〇メートルを皮切りに午後二時急歩一〇〇〇メートルの第六レースを終了した。第五レースまでの馬劵賣上十三万四千円、同時現在のアナは第四レースの連勝二、四一〇円のただ一つだつた
初日第五レースまでの馬劵売上高次のとおり
(單)一七、八〇〇円(裸)四七、六〇〇円(連)六九、三〇〇円(合計)一三四、七〇〇円

「石卷競馬準備班」(『石巻日日新聞』7月6日)
市署では四日開幕された石巻競馬の特別警備班を次の如く編成取締りを実施している
四日阿部部長、藤田、中村刑事、千田、佐々木(六)巡査、五日三浦部長、伊藤部長、中沢刑事、櫻井、小野巡査、六日安住係長、遠藤(利)佐々木(泉)刑事、阿部(勇)大久保巡査、十日小野寺係長、菊地、荒刑事、平塚、渡部巡査、十一日横尾部長、氏家刑事、小松、入江、千葉(郁)巡査、十二日佐々木部長、大友刑事、伊藤(美)、永沼巡査


「売上八〇万突破か 二日目日曜日 競馬五千名の昂奮」(『石巻日日新聞』7月6日)

二〇周年記念石巻競馬第二日目の五日目は曇天ながら日曜日と農家の手きものため非常な人出を見せ、駅前案内所の競馬場入場券売場は列車到着毎に黒山の人群れで、午前中の推定五千名が馬場につめかけ馬券賣上八〇万円が見込まれている、初日の四日は午後六時十二レース拂出を済ませて終了したが、此の日の売上げは期待された程のものでなく四四万円大穴もなく僅かに第十一レース連勝式四四四〇円が最高だつた目下の出走馬数は八九頭だが、此の程終了した水沢競馬から優秀駈歩競走馬約四〇頭が後半から参加するため、各種勝馬レースと共に相当な期待が持たれている。
第二日目の五日は曇天模様で騎手フアン、両者にとつて絶好の競馬日和−而もちようど日曜日とあつてつめかけた観客ザツト五千速歩二千メートルのトツプレース連勝でまず三千百六十円の大穴、続いて第四レース連勝で一千百七十円と穴の続出に拂戻所は色めき立つたが第三レースまでの賣上高は十二万六千百円で急テンポに上昇、初日の二倍を突破する盛況とあり関係者はホクホク場内は刻々昂奮を加えて行つて

「日曜の馬劵賣上げ 七十八万余円」(『石卷新聞』7月7日)

四日開幕の石巻市営競馬は心配された雨にも見舞われずきよう第三日目をむかえた、初日いらいの成績は(四日)観衆三千人、馬券売上げ四十四万円(五日)観衆四千人、馬券売上げ七十八万一千八百円、いままでの大穴は第二日目第八レース(きゆう歩)連勝の一万一千七百四十円、次いで第三日目第一レースの六千五百八十円、第一日目第十一レースの四千四百四十円など、なお第三日目のきようは平日のためか観衆数もグツと落ち午後三時半現在(第九レース)で馬券売上げは四十万九千五百円だつた

「百円が一万二千円 競馬に拾う 大もうけの実話?」(『石巻日日新聞』7月7日)

石巻競馬開幕の第二日目五日、第八レース三才馬八百メートルきゆう歩連勝式で一万一千七百四十円の大穴がでた、連勝馬は三五、アナウンスとゝもに連勝式払戻口は俄然衆人環視の的一分くらい経過してから興奮と不安の面もちで受取人が現れる
四人いずれも石巻市内近辺の人ではない、つぎに大穴の感想チヨツピリ
一、遠田郡箆岳大谷部落Tさん(四八)−鳥打に黒のジヤンパー、雜ノウ、生れてはじめて競馬を見気まぐれで買つた馬券がこの大穴
二、三、登米郡と栗原郡織壁村のいずれも五十くらいの男、素人でしてまさかという気持が強かつた
四、東京都Sさん(二三)−茶のジヤンパー、リーゼント型、パルプでちよつと働いているので、きてみたんだが石巻競馬はゝじめて、馬券はスツたと思つていちど捨てゝやつとさがし出した・マグレだネ

「大穴は一万一千圓 石巻競馬好調」(『石卷新聞』7月8日)

四日からヒバリ野馬場で開催中の市営石巻競馬は六日で前半三日間を終了した、三日間の馬劵売上げ額は第一日目四十三万九千二百円、第二日目七十八万一千八百円、第三日目六十二万二百円合計百八十四万一千二百でいままでの大穴は第二日目第八レースきゆう歩連勝式の一万一千七百四十円だつたなお石巻競馬とカチ合つていた水沢競馬も終了したので十日からの後半三日間はさらに優駿馬十頭が参加して出場馬は八十七頭に増加また賞金二万円をかけた市制二十周年記念特別レースも行われるので市では十日からの後半戦に期待をかけている、馬券売り上げ総額ははじめ市で見込んでいた五百万円はややむずかしい模様だが、後半の盛り返しで四百万円は突破できるとみている

「前半賣上一八四万圓 石卷競馬後半に大期待」(『石巻日日新聞』7月8日)

去る四日開幕した石巻競馬は六日第十二レースをもつて前半を終了、來る十日から三日間の後半迄中休みとなつた、三日間共曇天ながら憂慮された客足は落ちず、各レースとも馬券を手に熱狂した人々で場内は涌いていた。馬券売上は第一日目四三万九二〇〇円、二日目七八万一八〇〇円、三日目六二万二〇〇円計一八四万一二〇〇円と予定より一六万円程満たなかつたが、水沢競馬より約四〇頭が参加する後半の売上げ上昇が見込まれているため関係者もほつとしている。單、複、連各最高拂戻しは次の通り
▲單勝式
 第一日目九レース六九〇円
 第二日目二レース七三〇円
 三日目二五六〇円
▲複勝式
 第一日目四レース二着馬一一〇〇円、二日目九レース二着馬一一〇〇円、三日目八レース一着馬五一〇円
▲連勝式
 第一日目十一レース四四四〇円、二日目八レース一一七四〇円三日目一レース六五八〇円、又一〇〇〇円以上拂戻しは連勝式で続出し開催者側でも次の如き好配当に驚いている
▲單勝式
 (三日目)八レース二五六〇円
▲複勝式 (二日目)九レース一一一〇円
▲連勝式、(一日目)一レース二四一〇円、十一レース四四四〇円、(二日目)一レース三一六〇円、二レース二二〇〇円、三レース一二〇〇円、四レース一一七〇円、五レース一六九〇円、七レース一六七〇円、八レース一一七四〇円九レース三三七〇円、一〇レース五一一〇円、十一レース一四七〇円、(三日目)一レース六五八〇円、二レース一四九〇円、三レース二四七〇円八フース五〇八〇円、九レース五九九〇円、十二レース一六七〇円。

「競馬余聞」
▲「スワ八百長だ!」「ソレ八百長の抗議ダ!」五日午後三時半過ぎ石巻競馬第二日目の第八レースがもはや始まろうとしているとき、場内アナウンスの拡声器から異状な叫び声をききつけた観衆、口々に喚きながら、蟻ノ子が蜜にたかるように賣場へ賣場へワツト、事あれ主義で臨んでいる野次馬どもが、ひしめきあつて、賣場のわずかの鎖から事務室の中をのぞくと、馬主らしい男が、係員をつかまえ、何か抗議のマツ最中
◇「ソンナラ馬を質において借金して帰る!」拡声器が明けツ放しで、こんな片言が……とおりしもレース開始のサイレンが高らかに鳴りひびき、「ソレ走つた!」とまた木柵へどツト波のように打ち返えり、競馬フンイキはそこら中ムンムン
◇ところが、事務室の騒ぎの原因は某馬主が、きよう帰るから馬の運賃を支拂つてくれといい拒絶されて「そんなら「馬を質において」とスゴミ返つたもの

「石巻競馬再開 二つの特賞附」(『石卷新聞』7月10日)

石巻市営競馬は明十日から後半戦に入り、十二日の最終日まで三日間を各種大物レースの連続で賑わう、すでに水沢から優駿十一頭も到着して出場馬は計八十八頭に増加、十一日第八レースには農林大臣賞(賞金八千円)同第十レースには市制記念賞(同二万円)など呼び物レースが続き後半三日間の人気をかりたてる、なお前半三日間で馬券百八十四万円を売上げた市では天候にさえ恵まれれば全体で四百万円突破は確実とみている

「10日競馬返り咲く 呼もの農相賞レース」(『石巻日日新聞』7月10日)

六日をもつて前半を終つた石巻競馬は十日(第四日目より後半に入る、八日には兼て市より申請中の農林大臣賞が届き、又期待された水沢競馬より廻つた入賞優秀きう歩専門馬二十五頭が到着、愈興味深いものとなつて來た
農林大臣賞は従一尺二寸五分、横一尺七寸五分の大型賞状で、円筒に入れられて居り、浅黄地色に「農林省」の浮き文字が入つて農林大臣保利茂の署名と大臣印が押されている、同賞は十一日(五日)目の第八レース優勝三才馬きう歩に懸けられ、同レースは農林大臣賞レースの名称が冠せられている、このほか十一日(五日目)一〇レースは市政施行二〇周年記念レースで賞金二万円のほか、市長賞(副賞)がつき、十二日(第六日目の最終日第九レースのA級速歩と一〇レースA、B級きう歩の二つには知事賞が懸けられるなど多彩なレースがつづいている。水沢から来た優秀馬は九日午前より馬体検査を受けているがいづれも張切つて居り、前半から引続き出場する組との大熱戦を展開、予想をくつがえす大穴も後半には続出する見込み

「今日の競馬中止」(『石卷新聞』7月11日)

十日から再開予定だつた石巻市営競馬は前夜来の雨で走路不良となつたため十日は中止、開催期間を十三日まで延期した、なお定まらない天候状態に市でも心配している

「石卷市營競馬 明十一日開場 一日延期」(『石巻日日新聞』7月11日)

好レースと大穴で期待された石巻競馬四日目(十日)は折悪しく大雨特報の発令と前夜の降雨で馬場の走路不良から一日順延した、十日夜には農林省草刈監督官が來石、石巻競馬を視察する

「競馬返り初日 盛況ファン三千名」(『石巻日日新聞』7月12日)

きよう十一日再開された後半市営競馬は午前の観客ザツト三千で前半第二日に次ぐ盛況−第一レースは出馬一頭のため行われず第二レースから第四レースまで單調なレースが続けられたが五レースで連勝六、四九〇円、單勝五、一八〇円の小穴があいてフアンを喜ばせた、午後二時現在馬券売上は二三万五〇〇〇円

「売上げ百万円突破か 市營競馬大當り 四日目二万七千円の大穴出る」(『石巻日日新聞』7月13日)

馬場不良のため一日順延された石巻競馬第四日目(十一日)は曇天ながら既報の如く好レースが続き十一レースで今シーズン最高の大穴二万七千六百円(連勝)が出た、幸運の馬券は僅かに二枚で一枚は前谷地、一枚は市内畑中の夫々某氏が買つたもの、この日一日の売り上げも九七万七千百円と俄かに上昇して來た、五日目の十二日は折柄の日曜日の事とて家族連れで場内は涌き返り、入場者推定一万人各レースとも出場馬が六頭から八頭の盛況で第五レース目の午後一時半現在、馬券売上げは早くも初日の売上額に近い四三万二千円に達し、最終の十二レースまで一三〇万円が見込まれている、尚期待の農林大臣賞レースは第八レースに行われた

「最高記録を樹立 シリあがりの石巻競馬」(『石卷新聞』7月14日)

十一日から後半戦に入つた石巻市営競馬は好天候に恵まれて馬券売りあげもグンと上昇、十一日の九十七万五千八百円につぎ第五日目の十二日は日曜と好天、大物レースと好条件が重なつたので馬券売りあげは実に百四十五万八千三百円に達し、市営競馬はじまつていらいの最高記録となつた、また後半戦に入るにつれ大穴も続出、十一日第十一レースで連勝二万七千七百六十円の大穴がでて話題をさらつたが、この金的を射止めたのは石巻市と前谷地村と計二名の幸運児、四日開幕いらいの馬券売あげ累計は十二日で四百二十七万五千三百円となり、最終日のきようも百万円台を見込まれるので市営競馬今回の成績は当初見込の四百五十万円は確実に上回ることとなつた

「市営競馬最終日賑わう」(『石巻日日新聞』7月14日)

石巻市営競馬後半第二日のきのう十二日は日曜日とあつて今シーズン最高の人出、この日の総売上は百四十五万千三百円で同競馬はじまつて以來の記録を立てたが、同日呼びものの農林大臣賞杯獲得三才馬特別きよう歩の千米第八レースには、遠田郡のゝ岳村畑丘八郎さん所有のクモカゼ(朴沢騎手)が優勝、石巻市営競馬後援会長賞の副賞も同時に獲得、また二万円懸賞市制二十周年記念特別レースきゆう歩千六百米には地元馬西村定清さん所有の「タマサト」(佐民騎手)が優勝
最終日のきよう十三日は押しかけた観衆ザツト、三千この日の売上は百万円を越すものと見込まれているが四レース終了現在二十二万七千二百円で尻上りに上昇、この日の各レースは優勝馬のせりありとあつて本物レースさながらの盛況、いまのところのアナは商工会議所会頭賞をかけた第四レース優勝速歩で連勝式の五千三十円のみ

「馬劵の賣上五百万圓  市營以來の最高記録」(『石卷新聞』7月15日)

四日から六日間開催された市制二十周年記念の石巻市営競馬は予想以上の盛況裡に十三日終了した、六日間の馬券売上げ総額は五百四十一万二千三百円で当初予想の四百五十万円を九十一万余円も上廻る好成績、財政窮迫のおりからあるいは欠損−?と心配していた市もホツと一息いれている、二十六年秋の第一回市営競馬いらい今回の馬券売上げは次のとおり最高記録となつた(単位円)
26年10月(5日間)三、二九〇、五六〇
27年5月(6日間)四・四九四、八〇〇
27年10月(6日間)三、五八〇、四〇〇
28年7月(6日間)五、四一二、三〇〇

「競馬無事故」(『石巻日日新聞』7月15日)

去る四日より開幕されていた石巻競馬の実施期間六日間には市署おり特別警備警官五名乃至七名が場内の事故発生取締りに当つていたが遂に一件の事故もなく終了した、例年スリ被害や泥酔者の乱榛など連日数件あつたが今年は無事故のレーコドが樹立されたわけである

「五一一万売上 競馬無事終る」(『石巻日日新聞』7月15日)

石巻市営競馬最終日のきのう十三日は快晴の空の下勝ち残つた駿馬揃いの記念好レールにヤンヤだつたがこの日の売上げ百十三万七千円珍しいほどの穴もなく今シーズンの幕を閉ぢたが、前后半を併せた総売上げは豫想を越え、五百十一万二千三百円に達した

「川開花競馬」(『石卷新聞』7月25日)

県家畜協同組合石巻支部長沼倉勝治さん(新田町)ら有志によつて川開第二日目の八月二日、ヒバリ野市営競馬場で花競馬を開催することとなり、沼倉さんら代表五名が二十四日午前市役所を訪れ馬場の貸与方を懇請した、同馬場は市が競馬協会から年六万円で借りているので追つて検討のうえ貸与することとなつたが、主催者側では一日十二レースを挙行の予定で市営競馬におとらぬ賑わいを期している

「花競馬挙行 川開祭の人気物」(『石巻日日新聞』7月25日)

川開き祭り二日目の八月二日、雲雀野競馬場を使用して「花競馬」を開きたいと二十四日石巻市家畜商組合沼倉組合長等五名が馬場借入方富田助役に申込んだ、市では諒承直ちに一行は石巻競馬クラブに接渉に赴いたが同日約一五〇頭が参加レースのほか馬場競技も目論んでいる

「最初の花競馬」(『石卷新聞』8月4日)

県家畜商協組石巻支部主催の花競馬は川開第二日目の二日午前十一時から市営ヒバリ野競馬場で開催石巻では初の花競馬とあつて小雨のなかを約五百名の観衆が集まりなかなかの盛況だつた、この花競馬では馬券は発売せず入場料のみ(十円)を徴収、速歩、輓曳(千メートル)など十六レースに約七十頭が参加した、とくに荷馬車を曳いて走るめずらしい輓曳競走は人気をよび県や市の職員も立会つて午後六時すぎ無事終了

「市営秋競馬十月初旬の予定」(『石巻日日新聞』8月26日)

大当りをとつた夏競馬に次ぎ来る十月初旬再び雲雀野競馬場で市営秋競馬を開く準備が市及関係者の間に始められた、予算には夏秋両競馬のため一千二百万円が計上されて居るため秋の農繁期を避けた時季をねらつたが仙台市営が九月と十一月に決定している所から十月となつたもの

「石巻の秋競馬 十月開催の予定」(『石卷新聞』9月4日)

さる七月四日から六日間にわたり開催した市営夏競馬で五百四十万円という記録的な馬券売上げ成績をだした石巻市では、この好成績を再現しようと十月中旬こんどは秋競馬を開催することとなり、明四日午後一時から市役所で市営競馬運営委員会を開き前回の決算報告、秋競馬の日取り決定などを行う、財政極度にひつ迫の折ではありもし前回同様の黒字ならば市財政にいくらでもプラスできる−と市では期待している

「十月三日から 石巻の秋競馬」(『石卷新聞』9月6日)

石巻市では四日午後一時から市営競馬運営委員会を開き、二十八年度第二回市営競馬の開催につき協議した結果、きたる十月三、四、五、九、十、十一の六日間にわたり盛大に開催することと決定した馬券売上げ五百四十万円という記録的な好成績をだした夏競馬に次ぎ、市ではこんどの秋競馬にも黒字を期待しているが、なお七月四日から六日間行われた夏競馬の決算もこの席上で報告された、これによると夏競馬六日間の収入は合計五百四十九万千五百十二円、支出合計は五百二十五万四千二百十七円で差引二十三万七千二百九十五円の黒字だつた

「東北ダービー 市営秋競馬会大きな名称で」(『石巻日日新聞』9月6日)

四日開かれた市競馬委員会で今秋開催の石巻市営秋競馬の日取が十月三・四・五・九・一〇・十一の六日間と決定、名称も「市制施行二〇周年記念東北ダービー」と名づけられた、出場馬は県内は勿論岩手、青森の馬産地を始め秋田、福島、山形の六縣にまたがる一流馬百五〇頭の豫定で一部の県とは既に契約済みであると

「石卷秋競馬 また好調豫想」(『石巻日日新聞』9月9日)

来月三、四、五、九、十、十一の六日間開催と決定した市営秋競馬は余す所四週間後となつているため七日から事務上の準備に入つた、今度の競馬は仙台競馬に引続いて行われるため同競馬に出場した優秀馬全部が参加するのと、同競馬についてフアンも大挙來石する事が予想され更に今年の稲作が十日程遅れているため丁度農繁期に入る前で農村からの人出も期待できると主催者側では楽観している

「石巻競馬のポスター」(『石卷新聞』9月20日)

石巻市では十月三、四、五、九、十、十一の六日間開催される本年度第二回秋競を前に宣伝ポスター配布、宣伝隊の出張宣伝などで競馬フアンの動員につとめることとなつた、こんどの秋競馬は七月上旬の六日間催した夏競馬で馬券売上げ五百四十余万円という好成績をあげたのに気を良くした市当局がふたたび黒字をあげて幾分でも財政難を緩和させたい−という悲壮?な意気込みもうかがわれており、開催準備をはじめた農林課でも「ゼがヒでも黒字を−」と真剣な表情である【写真】秋競馬宣伝ポスター


「お膳立て 市営競馬秋の陣」(『石巻日日新聞』9月20日)

來月三日から始まる今年度第二回石巻競馬の客と馬の誘致宣伝計画が決定、宣伝カーは二十六日から縣内を延五〇〇キロにわたり従横に馳け廻る事になつた
◇県内主要市町村、県外の農協、蹄鉄店、馬主、競馬フアンなどを対照にポスター四〇〇枚、長ポスター一〇〇枚を貼り出す
◇立町、駅前、朝市場前、湊田町に吊下げ看板
◇新聞広告
◇開催日早朝三発発煙火打上げ
◇縣内巡廻宣伝=チラシ五万枚撒布、(九月二十五日)廣淵−中津山−米谷−柳津−桃生(同二十六日)涌谷−古川−三本木−松山−鹿島台−南郷−大塩−矢本(同二十七日)小野−松島−塩釜−仙台市内(同競馬場も含む)(同二十八日)前谷地−涌谷−米山−佐沼−登米−飯野川−二俣−稻井(同二十九日)牡鹿桃生郡内一円
◇県外出場馬誘致のため十八日より始つた水沢、二十三日より上の山、十九日から始つた仙台の各競馬場に出張

「高潮を伴つた台風十三号 競馬場水中に没す 農作物にも相当な被害」(『石卷新聞』9月27日)

昭和九年の室戸台風に次ぐ猛烈なものといわれた第十三号台風は金曜日の二十五日本土に上陸、四国、近畿中部地方を荒らし廻り、同夜から二十六日朝にかけ本県下各地を十二分に吹きまくつてやつと三陸沖へ抜けた、石巻地方の各地も家屋倒かい、死傷こそなけれ堤防欠かい、田畑冠水、家屋浸水その他電柱、ヘイ、小屋などの倒かいは数多く有形無形の損害は少なくないとみられている、(中略)またヒバリ野海岸の市営競馬場では海岸からの波浪のため馬場走路一帯が濁水におおわれ深さ四尺の水面と化し、十月三日からの秋競馬もあやぶまれるが、二十六日午前五時四十五分の満潮前の同三時半ころから再び釜こう門附近でいつ水騒ぎがあり、水防本部では空俵千百俵を投入して必死の水防作業に当つた、(中略)五時半現在雨はすつかりあがつたが、打寄せる高潮のためヒバリ野海岸には小山のような波が押寄せ、本堤防まで海水が浸入して市営競馬場も水魔にのまれ小屋二棟が倒壊した(後略)
【写真】ドロ海と化した競馬場


「石巻競馬場高潮禍 秋競馬は予定通り決行」(『石巻日日新聞』9月27日)

二十六日未明來の強風で石巻市内の海岸線に高潮が襲来しこのため雲雀野競馬場は完全に水中に没し正午現在なお四米の水深だが漸次天候恢復と共に減水している、然し打ちよせる大波で海岸よりの走路が埋没、復旧までに推定一二〇人の人夫を要する被害を受けているため二十六日午後一時緊急競馬運営委員会を開き対策を協議した、復旧作業の関係で予定の来月三日には間に合わす為延期しても農繁期にぶつかる所から既定通り実施することゝなつた

「サア石卷競馬だ!! 10月3日→11日まで 宣傳車繰出す」(『石巻日日新聞』9月28日)

馬場の走路が高潮で一部埋没したため開催の危れた第二回石巻競馬は既報の如く二十六日午後の緊急競馬運営委員会協議によつて予定通り来月三日より十一日迄(うち六日−八日迄休み)六日間実施されることになり二十七日早朝宣伝自動車が郡部に向け勇躍出発した
今回の競馬の特色は前回と比して本格的レース馬の多い事で、水沢仙台両競馬に出場の優秀馬多数が参加、地もとを合し一五〇頭が予定されている、又第五日目第九レースは市政二十周年記念市長賞三万八千円を懸けた特別きう歩となつているなど延七二レースに約五〇万円の賞金が出されている、第四日目第一〇レースは都市対抗特別速歩で此れには市指定の約十頭が出場二六〇〇メートルの距離に郷里を懸けて爭われるなど興味深い、又出場馬及騎手にも充分な手当金が出され、郡部からの場合入賞さえすれば諸手当を含み三千円−四千円になるが、例え出場毎に受賞しなくとも幾何かの手当が出されて労を慰める事になつている、一般の観客に対しても石巻駅から競馬場迄一時間毎に無料バスの便がある、毎日午前十時発馬で主催者側は前回以上の成績と見ている

「市會開く 競馬予算等上提」(『石巻日日新聞』9月29日)

石巻市議会第三回定例会は豫定通り二十八日午後召集され來る三日より開かれる市営競馬の更正予算、水道事業積立金二十三万余円を増改良工事充当資金に繰入の件、同上の追加更正予算、農業委員会の事務部局職員書記一名を二名とする職員定数條例一部改正條例、二十七年二月一日施行の石巻市消防団に関する條例の改正條例がそれぞれ上提された、同改正條例は消防組織法に基き新たに服務懲罰をも條例化し、更に消防團員が出動の場合国家公務員法に基く取扱いをする必要上「宣誓書」の提出も定められている

「思いがけぬ台風の余波 競馬場修理に一問題」(『石卷新聞』9月30日)

石巻市では二十五日夜の十三号台風襲来によりヒバリ野競馬場の走路一帯が冠水、土砂に埋没したので十月三日からの秋競馬に間に合せるため二十八日から三日間の予定で市の失対事業就労者百名を現地にまわし復旧作業に当つているが、失対事業就労者を既定ワク外の競馬場復旧作業に当らせたことは失対事業法や補助指令の違反ではないかという意見がもちあがりたまたま明三十日労働省から現場監査のため係官来石するのであわてた市ではとりあえず明三十日の同作業を見合せることとなつた
 失対事業の事業種目は(1)公共空地整備作業(2)街路整備(3)道路整備などに指定されており「競馬場の復旧」は該当せず、またかりに該当していたとしても市は同事業を申請していないので事業法違反、補助指令違反ではないかとみられ、佐藤職安所長からも市当局へ注意を求め、結局三十日のヒバリ野競馬場就労は取止めとした
競馬場復旧作業に二十八日からまわされた労務者百名はそれまで正規のワクの湊中学校庭整備に当つていたのをまわされたものでこの”作業現場変更”は職安所も知らなかつたという、なお同問題に関し市土木課では「競馬も目前に迫つており台風被害という応急的なことでもあり、さらに市営競馬場施設なので一応スジ道はたつ」としているが、厳密な法的見解によればやはり多少の手落ちは否定できず、台風被害は各当局をここでも思わぬ苦境に追い込んだかたちである

「石巻秋競馬に多數の県外馬」(『石卷新聞』9月30日)

十月三日からの秋競馬開幕を前に石巻市では台風で荒されたヒバリ野馬場走路の復旧工事に全力をあげ二十九日ほとんど整備完了したが、こんどの秋競馬には従来にない多数の県外馬が出場することとなり市をよろこばせている、これは山形、水沢、上ノ山、仙台、福島など各地に積極的な出馬勧誘をしたのが奏功したもので今回の出馬頭数は従来の記録を破つて百二十頭うち県外馬二十数頭に達し、従つて県外からの観客も多数来場すると期待している

「競馬場復舊 下見所はテント 前人気素晴し」(『石巻日日新聞』10月1日)

三日後に迫つた第二回石巻競馬は台風十三号による高潮で走路が埋没し復旧工事の開催日迄完了が危まれていた所二十八日と二十九日の二日間で約一尺積つていて海砂を全部除去、三十日は朝來サクの復旧に取りかゝり実施は大丈夫となつた、走路状況は以前よりむしろ良好と農林課で語つている程だが、今回の催しには山形、秋田、岩手、青森各県の優秀馬三十頭の出場と地もと県内馬一〇〇頭が確定、未かつてない好レースが同走路上に展開される事になつた、各県馬は地方競馬出場のベテラン揃いのため此の馬について専門フアン多数の來石が豫想され馬券賣上げも前回以上の見込であると、尚倒した檢量所と下見所はテントで間に合せるほか他に高潮による被害はない

「石巻秋競馬は豫定通り開催」(『石卷新聞』10月2日)

石巻市では十三号台風による市営競馬場の被害も一応復旧したので予定どおり六日間の秋競馬を開催することとなり三日午前九時からヒバリ野馬場投票所前で開場式を挙行、ただちにレース開始する

広告(『石卷新聞』10月3日)


「アナは一萬三千圓 石巻競馬始る」(『石卷新聞』10月4日)

本年第二回の石巻市営競馬がきよう三日からヒバリ野競馬場で開幕された、午前九時開場式に次ぎ同十時から各種レースがはじまつたが好天に恵まれた初日は観衆約二千五百、馬券売上げは午後二時半(第七レース)現在で三十三万六千七百円に達し前回初日に比べ七〇%増、出馬頭数は市の宣伝がきいて百二十三頭にのぼり同時刻までの穴は第三レース連勝の一万三千六百円だつた、レースは四、五と九、十、十一の計六日開催される【写真】第一日目のレース


「好調を續ける石巻秋競馬」(『石卷新聞』10月6日)

三日から開幕された石巻市営秋競馬は好天続きに恵まれて予想外の好成績をみせ、この分で進めば六日間の馬券売上額は七百万円を突破し県営、市営を通じ石巻競馬はじまつて以来の最高記録となると市では期待している、第三日目のきよう五日も観客や馬券売上成績は落ちず百三十万円台を予想されているが、現在までの大穴は第二日目(四日)第二レース速歩連勝の二万三千三百三十円だつた、二日間の馬券売上成績つぎのとおり(カツコ内は前回同期、単位円)
▽三日 七〇二・一〇〇(四三九・三〇〇)▽四日 一・一八二・七〇〇(七八一・八〇〇)−二日目現在で前回比五四%増

「市営競馬 大當りの上々 アナ二万四千円に湧く」(『石巻日日新聞』10月6日)

晴天に惠まれた第二回石巻競馬は東北地方一流競走馬出場と充実したレース編成に興味を呼んで初日の三日から好調なスタートを切り、第三レース連勝式で一万三千六百円の大穴が出るなど穴続出に場内は涌いて前回を上廻る七〇万円の馬券売上げ、二日目は日曜日と近頃にない快晴で約五千人の人出があつて売上げも上昇一躍一一八万三千余円となつた、此の日第二レース速歩の連勝式で二万三千三百九十円の大穴のほか大小各レース毎に出て昂奮の素人玄人のフアンにより場内はレースごとに歓声と溜息のルツボと化していた。三日目も朝来多数のフアンがつめかけ売上げ一〇〇万円が予想されている、尚六・七・八の三日間休み九日より愈々興味つきない後半戦に入る

「郡市對抗レース昨日の競馬」(『石卷新聞』10月7日)

好調を続ける石巻市営秋競馬は第三日目の五日も馬券八十万五千五百円を売り上げ、前半三日間の売上げ合計は二百六十九万三百円に達した、九日から三日間の後半戦で好天候に恵まれれば馬券売上げ七百万円に達する−と市では期待しているが、なお後半戦第一日目の九日は仙台、石巻、桃生牡鹿、登米など各地からの出場馬による郡市対抗九レースも行われ、また従来までの一、二位優勝馬による特別十一レースも行われ一そうの興趣をそえることとなつた

「前半三日間賣上二六九万 九日からの後半三日更に好調か??」(『石巻日日新聞』10月7日)

去る三日の初日来好天に惠まれ前例のない好調の石巻競馬は競走馬や騎手の負傷まで出る熱戦で終始し売上げも二六九万円と予想を上回つて九日からの後半戦の準備に入つた、今回好調の原因は勿論晴天であつたのと県外馬が多数出場しているところから山形仙台方面の専門競馬師も多数乗り込んでいるためで、一人で六十枚(六千円)をゴソツと買い込む者もあつて初日七〇万二千百円、二日一一八万二千七百円、三日目八〇万五千五百円、計二六九万三百円となつた、後半には四日目(九日)九レースの仙台、石巻、登米、桃生など県内郡市対抗レースに代表馬が出場して郷土の名誉をかけて熱戦を展開するほか、一・二着馬のみで編成の特別レースが十一組もあつて呼びものとなつて益々尻上りの好調が期待されている、尚前半のアナ最高は二日目の二万三千六百円を始めに千円以上は無数であつた

「市營競馬!好調破れるか」(『石巻日日新聞』10月11日)

後半に入つた石巻競馬四日目の九日朝來の曇りが午後から雨に変つたため馬券の売上げは予想より悪く五十四万円だつた、十日は曇勝ちながらも日の差す土曜日の事とてかなりの人出があり売上げの予想も一一〇万円と出て関係者を張り切らせていたが又もや時雨があつた

「馬劵の賣上げ 前回より減る」(『石卷新聞』10月13日)

三日からヒバリ野競馬場で開催された本年度第二回石巻市営競馬は十一日の日曜日で六日間の幕を閉じた、六日間の馬券売上合計は五百二十万六千七百円で前回比二十五万円の減、これは後半二日間を悪天候にたたられ、また近接町村がイネ刈り時期に入つたためと市ではみているが、それでも売上合計五百万円台が二回も続くのは本年度がはじめて−という、こんどの競馬には県内外各地からクロウトの競馬フアンも多数来場、どうやら石巻競馬も広く知られるようになつたと市ではよろこんでいるなお純益は前回三十万円、こんどが推定十万円で計約四十万円が火の車財政をうるおす、初日からの馬券売上成績つぎのとおり(単位円)
 (三日)七〇二、一〇〇(四日)一、一八二、七〇〇(五日)八〇五、五〇〇(九日)五四〇、六〇〇(十日)七八一、九〇〇(十一日)一、一九三、九〇〇(合計)五、二〇六、七〇〇

「前回とトントン 市競馬! 上成績で終る」(『石巻日日新聞』10月13日)

去る三より延六日間(内六日より八日迄休み)にわたり雲雀野競馬場で催された石巻市営第二回競馬は後半の時雨で悩まされながらも最終日には期間中最高の一一九万円の売上げで春競馬に比較し二〇万円少なかつただけで十万円前後の黒字を生み無事終了した
後半馬券売上げは四日目五四万六百円、五日目七八万一千九百円、六日目一一九万三千九百円期間中の総計五百二十万二千六百円、穴は四日目九レースの一万五千三百六〇円全期を通じ二日目二レースの二万三千三百三十円が最高であつた、又今回始めて実施された郡市対抗レースは四日目十レース目に行われ仙台のクジナミが一位を奪い石巻代表の堀村弘氏所有馬は四位であつた、その成績次の通り
(1)クジナミ(仙台)(2)ミヤギカマカゲ(登米)(3)セカンド(桃生村上重夫)(4)ミスホーライサン(石巻堀村弘)(5)ミヤギ(牡鹿小林藤夫)(6)カシヒメ(黒川)(7)ヒノデハナ(志田)(8)カツヤマ(加美)尚来場者は延二万人であつた

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