石巻競馬関連資料集
 └新聞記事:昭和29年(1954年)

「市競馬運営委員會開く」(『石巻日日新聞』2月10日)

一〇日午後一時より議事堂に於て第四回石卷市営競馬運営委員会が開かれ、昨年秋開催の二十八年度第二回競馬決算、市競馬会より借入れの雲雀野競馬場の五ヶ年契約満期に伴う契約更新、二十九年度市営競馬開催期日などについて協議をする

「市営春競馬 四五月頃か」(『石巻日日新聞』2月11日)

既報、十日開かれた第四回市営競馬委員会席上、昨二十八年春秋二回の競馬で合計三十一万円(春二四万七千円 秋六万四千円)の黒字決算が報告され又今二十九年度は第一回を四月から五月にかけ第二回を九月に開く事を申し合せた

「石巻の春競馬 四月二十五日から」(『石卷新聞』2月12日)

石巻市では十日午後一時から市議事堂で市営競馬運営委員会(三十二名)を開催、昨年の秋競馬収支決算を承認、本年の市営競馬開催日取りを協議した、昨年十月三日から六日間行われた二十八年度第二回石巻市営競馬の成績は収入総額五百二十五万五千七百四円、支出合計五百十八万六千三百五十八円で差引六万九千三百四十六円の黒字をあげた、また本年の市営競馬日取りは春秋とも次のとおり決定、前年におとらぬ好成績をめざすこととなつた
 第一回(春競馬)四月二十五、二十六、二十八、二十九日、五月二、三日◇第二回(秋競馬)九月十九日、二十、二十二、二十三、二十五。二十六日

「競馬運営委 日取再檢討」(『石巻日日新聞』3月23日)

石卷市営競馬は四月二十五日ー五月五日までと決定したが、仙台市営競馬も日程がカチ合うことによるため最后の態度を決める必要から二十二日午前十一時より市役所第二議員室に競馬運営委員会を開いた

「ことしは夏競馬 春は各地とカチ合う」(『石卷新聞』3月23日)

石巻市では二十二日午前十時から市営競馬運営委員会を開き二十九年度市営競馬の開催日取りにつき協議した結果、さきに決定した春競馬四月二十五日−五月三日(六日間)秋競馬九月十九日−二十六日(六日間)という開催日取りは郡山ほか各地の競馬開催日取りとカチ合うので多数の出場馬勧誘、収入増の見地からこれをご破算とした、これに代る石巻市営競馬開催日取りを引続き協議した結果、春競馬は行わず七月十、十一、十二、十六、十七、十八の六日間夏競馬を開催あまた秋競馬は十月十六、十七、十八、二十三、二十四、二十五日の六日間と決定した、石巻市営競馬については今市議会でも「馬券発売額の割には市への収入が少な過ぎはしないか」と質問が飛んでおり、市ではこれに対し「いまは市営競馬発足後まもないことであり、施設面の整備を要する、おつて収入増も考慮したい」と答弁している

「競馬場にも助成金 武藤県議獅子奮迅の活躍」(『石巻日日新聞』6月11日)

舗装とはいえ穴だらけデコボコの悪路となり果てた石卷市湊田町内海橋から大門崎に至る区間の県道舗装は既報の如く野村重藏市議が武藤県議の協力応援を得て県に施工予算獲得運動中だつたが同縣議は九日県と最後の交渉を重ねて予定通り六米幅を七ないし七五米幅で全長七五〇米全面的に舗装してもらうことに成功、さらにこの日同縣議は長谷部貫一南光運輸社長(市南方道路建設期同盟会長)吉田忠五郎市議、佐藤市農林課長と協力して県庁内各部課をわたり歩いて石卷市営競馬の整備助成費に三十五万円、ヒバリノ海岸砂防事業費に十万円と應案の南方開発広幅十五米新産業道路第一年目施工費に五三〇万円(三年継続事業)を獲得の大奮闘を演じて同行者を感激さした
1.市営競馬助成費は仙台にも出さず本年は一切打切りの方針となつていたが特に石巻には三十五万円の助成が決定これで市営競馬夏の陣までに審判所カンカン場等の施設が新に整備される
(後略)

「市営第一回 競馬 七月十日から華々しく開幕」(『石巻日日新聞』6月16日)

石卷市営今年度第一回の競馬が來月十日から十八日迄(中に三日間休み)開催されるが準備のため二十二、三日頃競馬委員会を開き新たに獲得となつた県費補助金三五万円の費途や細部の打合せを行う、昨年の台風で流された下見、檢量、審判の各設備は此の打合せ終了次第改修に着手する予定

「競馬 着々準備進む 百頭参加豫定」(『石巻日日新聞』6月25日)

来月十二日から三日間更に十八日から三日間と延六日間にわたり雲雀野競馬場で開かれる石卷市営今年度第一回競馬の準備は早くも完了、二十五日頃出来上るポスターを市内郡部にはり出せばよいばかりとなつた、今のところ参加馬数は一〇〇頭と見られ数日中に競馬委員会を開き細部を決定する、尚同委員に新たに熊本正次、須田喜之助の両氏も委嘱される

「前人気上々 石巻競馬 場内の施設等大急ぎで改善」(『石巻日日新聞』7月7日)

今年度第一回の石卷競馬は来る一〇日から十二日迄と十六日から十八日迄の計六日間行われる
予想される出場馬数は県外馬を含め一一〇頭で昨年秋の十三号台風で荒された檢量所、下見所、審判所の各建物も改築を開始、近代的なものに生れ変るため好レースの展開とともに盛況が予想される
特に今度の競馬から東北発のかやば式発馬機が一〇〇〇米と一二〇〇米の発馬地点に設置される、一機一〇万円のものでスタート地点に馬の胸辺りに張られたロープが発馬係の各競走馬の鼻先きの揃つた時にハンドル操作でハネ上げられ一齊にスタートする仕掛け、從來大井競馬場に使用されている
又賞金一万円の農林大臣賞典三才きう歩や二万円の市営四周年記念特別レース五千円の郡市対抗特別レースなど総額五〇万円の賞金が懸けられている

「石巻競馬は 明後日から」(『石卷新聞』7月9日)

二十九年度第一回の石巻市営競馬は十日から六日間ヒバリ野競馬場で催されるが、市では第一日目の十日午前九時から同競馬場で開場式を挙行する。出馬頭数は現在のところ百頭(県外馬十頭)と見込まれ農林大臣賞(一万円)市営競馬四周年記念賞(二万円)など各賞をかけた好レースを用意しているが市はこんど新しく発馬機も準備、また下見所、審判所など諸施設も整備し開幕を待つばかりとなつた【写真】新設の発馬機


「競馬一日繰延」(『石巻日日新聞』7月11日)

市営競馬は雨のため十日の開場式とレースを一日繰のべした

(広告:『石卷新聞』7月11日)

「今日の競馬取止め」(『石卷新聞』7月11日)

きよう十日から開幕予定だつた本年度第一回石巻市営競馬は雨天のため第一日目はとり止めとした。このため開催期間は十一、十二、十三、十六、十七、十八の六日間に改めたが、出馬頭数は、県外馬十頭をふくめ百頭となつた

「石巻競馬開始 雨晴れの十二日から擧行」(『石巻日日新聞』7月13日)

雨のため二日間延期された第一回石巻競馬は十二日午前九時すぎから雲雀野競馬場事務所前で開場式を挙行、一〇時第一レースから開始された、連日の惡天で走路が柔く大穴の出ることが予想されているが客の出足は初日としては好調たつだ

「赤字は不可避 悪天候の石巻競馬」(『石卷新聞』7月13日)

十日から開催予定だつた二十九年度第一回石巻市営競馬は雨天のため十、十一の両日レースを中止、十二日午前九時からやつと開場式を挙行、悪天候のもとで同十時の第一レースでやつと開幕した、きよう第一日の観衆およそ六百名、雨模様のため走路のコンデイシヨンも悪く出馬八十八頭はヌカルミに足をとられ勝ちだつたが、初日の馬券売り上げは五十万円から六十万円と市では予想している、市は十二日からは小雨でも決行との方針をきめ、中止二日分は順延することとしたが、この悪天候続きでは相当な赤字は不可避と第一日目はやくも悲観説が飛んでいる【写真】第一日目のレース


「惡天候吹き飛ばし 市営競馬爆發的人氣 初日売上げ五四万九千余圓」(『石巻日日新聞』7月14日)

曇天ながらも蓋を明けた第一回石卷競馬初日の十二日は午後からどつと一千名の人が押しかけ予定した五〇万円の馬劵売り上げを上回る五四万九六〇〇円の好調を示した、軟馬場ながらも穴は第二レース二千米速歩單式に一七一〇円が出た程度でレース振は順調りだつた、二日目の十三日は珍らしい好天に人出も前日同様で新たに十二日夜新潟競馬から到着した優秀馬八頭も参加したため人気を呼び正午迄の第五レースでは早くも十五万円此の日一日で一〇〇万円だーと市係員を喜ばせている、又第五レース一〇〇〇米速歩では連勝式に四六四〇円の大穴が出て場内をわかせている

「初日の石巻競馬 賣上五十四万」(『石卷新聞』7月14日)

石巻市営競馬第一日目の十二日は悪天候にたたられたが、馬券売り上げ成績は悪天候のわりには良好で五十四万九千六百円(十二レース)となつた、十三日は思いがけない好天候となつたので主催者側の市では大よろこび、六日間で四百八十万円程度は売り上げたいと語つている、なお前回(昨年十月)の馬券売上げ額は六日間合計五百二十万四千八百円という好成績だつたが、何分にもこの不良天候なので市ではモツパラ空模様を心配している

「八千圓の大穴に湧く 競馬第2日目 人出一千人」(『石巻日日新聞』7月15日)

石巻競馬第二日目の十三日は好天に惠まれて約一千人の人出があり、各県外馬の参加もあつて人気を呼び、最高の穴は第九レース二千四百米速歩で幸運の馬劵三枚に一枚当り八二〇〇円の配当が出て場内をわかせた、次いでの穴は第十レース二六〇〇速歩で四九三〇円、第五レース四六四〇円、第七レース一九一〇円と続きいづれも連勝式であつた
第三日目の十四日も第三レース二〇〇〇米速歩連勝式に七六五〇円が出ている
尚第二日目の賣上げは四五万八二〇〇円で予想の百万円をはるかに下廻つた

「石巻競馬」(『石卷新聞』7月15日)

石巻市営競馬第二日目の十三日の馬券売上げ成績は好天候の割合に振わず四十五万八千二百円、市では予定を変更し十四、十五とレースを開催、十六日を休んで十七、十八日と後半は二日間開催することとした、問題はきよう第三日目の売上げ成績だが、今日の不振の原因は農村地帯の凶作気構えが主なものといわれている

「馬券賣上げ六十二万圓 競馬第三日目」(『石巻日日新聞』7月16日)

石卷競馬第三日目の十四日は馬劵総賣り上げ六二万三千円で三日間の最高を示し第三レースの二〇〇米速歩連勝で七六五〇円のあなが出た、四日目の十五日は九時すぎからの雨で開催が危まれたが決行に決り花火で市民に知らせレースを開始した

「石巻競馬」(『石卷新聞』7月16日)

石巻市営競馬第三日目(十四日)の馬券売上げは六十二万三千円、これで前半三日間の売上げ合計は百六十三万八百円となつた、前回(二十八年十月)の前半三日間合計二百六十八万八千四百円にくらべ百五万余円の減、しかも再び悪化した天候のため市営四周年記念の今回は最悪の成績となるかと心配されている

「市の赤字財源緩和に モーターボートレース 市議研修旅行九州班が鼻高々のみやげ持参」(『石巻日日新聞』7月20日)

去る六月中に行われた石卷市議連の各地研修旅行で如何なる收獲あつたかーは当時市民の間にかなり研修旅行に批判的な目で見る向きもあつた所から、その第一弾とも言うべき九州四国方面班の今野亀雄市議等は石巻市財政の窮乏を幾分でも緩和する目的で目下九州博多市や四国高松市が実施して大成功をおさめているモーターボートレースを採り上げ、競馬以上採算の合う近代的なものを行いたいと早くも先進地宛各種資料の送付方文書で依頼した
モーターボート・レースの実施の方法は競馬の馬劵と同様にレース劵を発売、賭けたボートが勝では配当がつく訳だが幸い石卷市の場合北上川、長浜雲雀野の最適水面を持ち、懸念される人口と地の利との関係も東北各地に未だ実施されないため仙台方面の大人口を石卷市に呼び寄せる可能性は多分にあり、此の点の心配はなく大丈夫レース毎の売り上げに心配はないーと今野氏は主張している
博多や高松名市宛依頼した資料は(1)税外收入である一ヵ年間の收益(2)必要な経費(3)開催の手続きなど数項目で遅くも明三十年から実現したいと張切つている

「石巻競馬は 低調に終る」(『石卷新聞』7月20日)

十二日からヒバリ野競馬場で開催されていた二十九年度第一回石巻市営競馬は十八日で六日間の全レースを終了、閉幕したが六日間の馬券売上げ成績は三百四十五万九百円で、前回(昨年十月)にくらべ百七十五万三千九百円の減、さる二十六年市営競馬開始いらい最低ではないが開始当初のころの不振な成績に逆戻りした。この原因は六日間ともほとんど悪天候にたたられたのが致命的なもので、このほか開催期日が福島競馬とカチ合つたこともあげられている。それでも最終日の十八日は日曜の人出で馬券九十八万四千五百円を売上げたが前半の不振をバン回するに至らず、相当な赤字は避けられぬこととなつた。六日間の馬券売上げ額つぎのとおり(円)
 (12日)五四九・五〇〇(13日)四五八・二〇〇(14日)六二三・二〇〇(15日)二〇七・六〇〇(17日)六二七・九〇〇(18日)九八四・五〇〇(計)三・四五〇・九〇〇
◇佐藤市農林課長談 不振の最大の原因はやはり悪天候にたたられたことだ、それに福島競馬と多少カチ合つたためもあろうが、まず赤字は避けられぬ見込だ。しかし市営競馬も今度で六回目であり、開始当初よりグンと軌道に乗つており、今回も天候にさえ恵まれれば五百万円は突破できたのに…。今回の成績はちようど市営開始当時の成績と同じくらいで、最低記録ではないが、秋には大いにバン回につとめ、この不振をとりもどしたい。

「馬劵總売上三四五万円 梅雨に祟られた石競馬閉幕」(『石巻日日新聞』7月22日)

終始悪天にわざわいされた石卷市競馬は十八日をもつて延六日間の幕を閉じた、五日目の十七日は午前中客の出足が悪く大いに関係者を心配させたが午後から人出もあり六二万七千九百円、十八日の最終日は日曜日のためと曇天ながらも雨が降らないため相当の人出があり九八万四千五百円の馬劵の売り上げで六日間の合計は三四五万一千円となつた、予定された四〇〇万円には五五万円の不足で若干の赤字は確定的だが、天候さえ良ければ絶対黒字だつた第一施設の改善で勝主騎手から好評だつたーと主催者の市を口惜しがらせている、今月下旬競馬委員会を開き結果報告ののち今後も開催するかどうかを決める

「縣外馬三十頭 對抗記念競馬」(『石卷新聞』9月23日)

石巻市営秋競馬はいよいよ十月九日から十、十一、十五、十六、十七の六日間、市営四周年記念と銘打つて開催されることとなつた、このためとくに県外馬三十頭による記念対抗レースも計画、県内外百二頭が出場する予定である【写真】でき上つた秋競馬のポスター


「競馬の宣傳隊」(『石卷新聞』10月5日)

九、十、十一、十五、十六、十七の六日間本年度第二回目の市営競馬を開催することとなつた石巻市では、三日から市内外各地に宣伝隊をくり出した。前回(七月)のような赤字成績にならぬよう、こんどはいまから準備に万全を期している

「いよいよ9日から 石巻秋競馬 県外から出場魚多数」(『石巻日日新聞』10月7日)

石巻市の今年度秋競馬は愈々来る九日から十一日迄と十五日から十七日迄六日間雲雀野競馬場で華々しく開幕する、此の為四日來市内郡部特に仙台登米のフアン及馬産地に対し強力な宣傳を行つているが、六日は福島、山形、岩手の県外馬三〇頭が来石、七日中には縣内馬一〇〇頭も参加する予定のため南浜丁一帶は俄に馬臭がただよい競馬景気が盛り上る筈、現在迄石卷競馬での大穴は昭和二十七年の三万八千円で今年春の大穴は一万三千四百円だつたが果して秋競馬には幾何かの穴が出るか興味が持たれている
尚馬券の売上げは平均八〇万円最終日二〇〇と見て六〇〇万円を当て込んでいる

「石卷秋競馬 毎日十一レース」(『石卷新聞』10月8日)

二十九年度第二回の石巻市営競馬は九、十、十一、十五、十六、十七の六日間ヒバリ野競馬場で開催されるが、市は七、八の両日馬体検査を行い、九日午前九時からの開場式で六日間のレースの幕をあける準備をととのえた。こんどの出場馬は百頭うち二十頭が山形、岩手、福島など県外馬で、二十頭もの県外馬参加は従来にない賑わいという、前回七月の夏競馬では悪天候にたたられ三十余万円の赤字をだしたがこんどは天候さえよければ六日間で六百万円の馬券売上げを市では期待している。なお開催期間中石巻駅から一時間毎に無料バスを用意、また従来は毎日十二レースだつたのを今回から十一レースに改めた。開催期日のカチ合うのは六県下で水沢競馬だけなので、市はこの秋競馬で前回の赤字バン回を期している

「石巻秋競馬 愈々明9日」(『石巻日日新聞』10月9日)

明九日から開始される石卷競馬は八日正午桃生牡鹿地区の出場馬三〇頭の到着で六日県外馬三〇頭、七日登米栗原仙台各地五五頭と全部が勢揃いし、厩舎に入り切れないため民家の厩や納屋まで借りて入る盛況ぶりである、初日九日は午前九時競馬事務所前で開場式を挙行、午前一〇時の速歩レースで延六日間の幕を切つて落すが、早くも縣内外の専門馬劵フアン多数が乗り込んで居り、百戦錬磨の県外遠征馬と地元競馬界で大活躍の縣内優秀馬による自勢レースで盛况が豫想されている

(広告:『石巻日日新聞』10月9日)

「案外寂しい 競馬の初日」(『石卷新聞』10月10日)

二十九年度第二回の石巻市営競馬はきよう開幕、午前九時から清野市長も参列して開場式を挙行し第一日目の十一レースからフタ明けした、まだ宣伝も十二分に行き渡らぬためか初日の人出は約二百というさびしさ、出場馬数もはじめの見込百余頭を下廻つて八十三頭、主催者側の市は六日間で馬券売上げ七百万円を期待、前回(七月)の赤字三十五万円をバン回するというが、何せ秋の空…とモツパラ空模様を心配している【写真】きよう開幕の市営競馬


「秋競馬 天候に惠ぐまれ 馬券賣上げ好調」(『石巻日日新聞』10月12日)

九日から延六日間の蓋をあけた今年度石卷秋競馬は初日の売上げ五十六万四千四百円、一〇日八十六万六千七百円、二日間の合計一四三万一千百円で春競馬と比較にならぬ好成績を示した
三日目の十一日は第七レースまでに三五二、三〇〇円の売上げ、最終レースまでに六〇万円となる見込み、初日二日に出た穴は初日九日第八レース連勝五六九〇円、第七レース單勝四一四〇円、複勝第八レース八一〇円、二日目一〇は第七レース單勝六五〇円、第八レース複勝八一〇円、第一〇レース連勝二三五〇円と特に連勝の面白さをフアンに満喫させている
尚十二日から十四日迄休み、十五日から三日間後半が開かれる

「石卷秋競馬 日曜日に大穴」(『石卷新聞』10月12日)

石巻市営秋競馬の馬券売上げ成績は第一日(九日)五十六万三千七百円、第二日(十日)八十六万六千七百円で、きのうの日曜はさすがに賑わい、第十レース(速歩連)では二千三百五十円の穴がでた。きよう十一日で前半を終り、十五日から三日間、後半のレースに入る

「競馬場で盗難」(『石卷新聞』10月12日)
牡鹿郡稲井村高木小沢一〇農業Kさん(四一)は九日午後三時ころ石巻市ヒバリ野市営競馬場で競馬見物中に自転車一台見積り五千円を盗まれ石巻署に届出た

「馬券三日間 百九十余万円 売上成績好調」(『石巻日日新聞』10月13日)

石卷競馬三日目の十一日は此の日も好調な馬劵賣り上げを見せていたが第九レース東北六県対抗の開始直前から降り出した雨でガタ落ちとなり、四十九万五千円に過ぎず関係者を落胆させた、此れで三日間の合計は一九二万六千円で期待は後半に持ち込まれた

「馬劵賣上げは 日曜日が最高」(『石卷新聞』10月13日)

石巻市営秋競馬は十一日で前半三日間を終つたが、三日間の馬券売上げ成績は次のとおりで計百九十二万六千百円、十五日から後半戦に入るが市の期待する総売り上げ六百万円は困難の見とおしとなつた(円)
 第一日(九日)五六四・四〇〇
 第二日(十日)八六六・七〇〇
 第三日(十一日)四九五・〇〇〇
 (計)一・九二六・一〇〇

「市營競馬後半依然好調」(『石巻日日新聞』10月17日)

石卷市秋競馬後半第一日目(四日目)の十五日は第一レース二千米速歩で早くも連勝一枚を買った幸運者に九九七〇円の大穴が出て場内をウナらせ此の日の売上げは五五万八千百円だつた
十六日にも好天に惠まれ好調な出足を見せ、白熱的レースに場内は沸いている

「活氣づいた 石卷競馬の後半」(『石卷新聞』10月17日)

後半戦に入つた石巻市営秋競馬は好天に恵まれてようやく本格的な活況をみせ、十五日の第二レースでは九千九百円という今競馬最高の大アナがでたあすの最終日は各種優賞レースが行われ人気も最高潮に達すると市では期待している。初日いらいの馬券売上げ高は次のとおりで市の期待する六日間合計六百万円にはほど遠いが、あすの日曜こそ…と市では背水の陣(円)
(九日)五六四・四〇〇(十日)八六六・七〇〇(十一日)四九五・〇〇〇(十五日)五五八・一〇〇(計)二・四八四・二〇〇 【写真】秋競馬5日目


「最終日に盛返し 市営秋競馬黒字」(『石巻日日新聞』10月19日)

春に赤字を生み出し挽回のため多くの期待を集め去る九日から開始された石卷市営秋競馬は十七日をもつて延六日間の幕を閉じた、前半三日間は不振で関係者を心配させたが後半特に最終日で一挙に盛り返し此の日一日だけで一三八万六千七百円、第九レースでは一レースで二十一万円と言うレコードを作つて四八三万八千円の馬劵を売り上げ今期の黒字を確定的なものとした
最終日に行われた優勝レースの各賞獲得馬及馬主は次の通り東北各県にまたがつている
市農協組合長賞(三レース)ハヤカゲ鹿又村三浦最、縣家商協組合石卷支部長賞(四レース)タカノブ小牛田沼津信次郎、東北パルプ石巻工場長賞(五レース)マンサク岩手今野東吾、市議会総務委員長賞(六レース)グランドトツプ登米米山村渡辺淳平、同産業経済委員長賞(七レース)ミナミサカイ岩手今野専七、市議会議長賞(八レース)サツヨシ仙台丹野カネ子、桃牡地方事務所長賞(九レース一着)ライコー名取相沢利雄、家畜商組合長賞(同二着)スピードキング仙台高木義夫、県知事賞(一〇レース一着)コーカン中津山村渡辺義夫、石桃牡畜産農協組合長賞(同二着)キタカホマレ石卷高橋源太郎、県知事賞(十一レース一着)ミヤギタツカゼ仙台鈴木清五郎、市農共済組合長賞(同二着)トサホーカ岩手山桑沼完爾
尚五日目に行われた市営四周年記念レースでは次の通り
特別きゆう歩=賞金一万五千円、市長賞トサホーギヨク岩手山桑名完爾、同速歩=賞金一万円、市長賞ミスカホル青森成田潤造

「石卷競馬終る」(『石卷新聞』10月19日)

九日から催されていた二十九年度第二回石巻市営競馬は十七日で開催六日間の幕を閉じたが馬券売上げ総額は四百八十三万八千円で市の期待した六百万円に達せず、昨年の市営秋競馬より三十六万八千七百円の売上げ減、しかし後半三日間の成績は尻上りに上昇、最終日のきのうは一日で百三十八万六千七百円を売上げた、こんどの秋競馬の特徴としては従来にない例として東北六県から洩れなく県外馬が出場していること、これに伴なつて専門筋のフアンが多数来場、一万円以上という大口の馬券買いも多く見られたことなどで、市ではこの傾向にかんがみ今後はとくに県外馬の出場勧誘に力をそそぐという、初日いらいの馬券売上げ高次のとおり(百円)
(九日)五六四・四(十日)八六六・七(十一日)四九五・〇(十五日)五五八・一(十六日)九六七・一(十七日)一・三八六・七(合計)四・八三八・〇
単勝式四一〇・九複勝式一・一二三・〇連勝式三・三〇四・一

「タツフジ号宮内廳に買上 きよう晴れの東京入り」(『石卷新聞』10月27日)

県内でただ一頭皇宮馬として宮内省から買上げが決定した牡鹿郡蛇田村新橋四一の二家畜商黒須武志さん(六一)方のタツフジ号(鹿毛、牡四才)はきよう二十六日家族の人々に付添われ午前九時八分石巻発の貨物列車で東京に向つた。タツフジ号は玉造郡鳴子町鬼首産、アングロノルマン種の血が混つた中半血種の優秀馬で先ごろの石巻市営秋競馬にも出場して入賞している。これはさる二十三日来石した宮内省皇宮警察本部星野技官、同小柴皇宮警察部、鈴木総理府技官一行三名が石巻地区十七頭の候補馬のなかから選んだもので、桃生牡鹿石巻地方でははじめてのことだと県家畜商組合石巻支部(支部長沼倉勝治氏)でも大よろこびである。
宮内庁入り(?)したタツフジ号は調練をうけたのち陛下のご警衛用乗馬となることになつているが出発に当つて黒須さん宅では黒須さんと長男港君(二二)次男陽一君(一九)の三名がタツフジ号に付添い上京した。また沼倉支部長もこの機会に状況皇宮馬の状況を視察することになつている
◇黒須武志さんの話=十年以上も家畜商をしているが、こんな嬉しいことはない。石巻地方でもはじめてのことなので全く名誉なことだと考えている。

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